どんな感じ?

「どうぞー!」
『…お邪魔しまーす』

うっわ、知ってたけどさ。
すげーピンク色。

この空間に、俺。浮き過ぎだろ。


『で、俺は何をされるんすか』
「髪を直すのよ!」
『はあ?別にいいし』
「アタシが良くないのよ!」

座るように促されて、部屋の真ん中に座る。

「それに今日入学希望者が来るじゃない!」
『あっそう』

別にどうでもいい。

「どうでも良くないのよ!笑われるわよ!?」
『…誰にだよ』

今日来た奴らが全員入るわけじゃなしに。
それに新入生にどう思われようがどうでもいい。


『あっそ、まぁいいけど』

早くしてくれ、と身を投げ出す。
もう早くこのピンクの空間から抜け出したい。

「どんな感じにしまっしょっか!」
『なんでもいい』

…楽しそうだな、花井。


「じゃあ、颯天くん」
『あんだよ』
「こんな感じにしてみない?」
「…は?」

一冊の雑誌を見せられる。

『…男の、娘?』

男なのに、娘?
なんだそれ馬鹿にしてんのか。矛盾してんぞ。

「男の子が女の子の格好してるのよ」
『あ?女装かよ』
「女装じゃないわ!男の娘になるのよ!」

全然意味わかんねぇ。
何が違うんだよ。






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