花井が鬼

今日は土曜日。
だから午前中授業だぜ、ひゃっほい。

「ちょっと、颯天くん?」
『あ?』

やっと4時間めの授業が終わり、担任が出て行った途端。
なんか花井がすげー顔して寄ってきた。

お?なんだなんだ。

「なんなのその寝癖!!!」
『…あー』

いや、ね。
朝起きた時からなんかはねてるなー、とは思ってたけど。

別によくね?
んな、誰に見せるわけでもねーし。


『わざと』
「わぁざぁとぉ!?!?!?」

うっわ、うっせえ。
こんな鬼みたいな花井見たことねーぞ。

「ちょっと来なさい!」
『えー』

ぐいぐい、腕を引っ張られてどっかに連れて行かれる。

『ちょ、どこ行くんだよ』
「アタシの部屋!」

意味わかんねーんだけど。なんで。

「あらら。頑張ってー」

困ったように笑う牧。

『おい、助けろ』
「ま、頑張ってこい」

くそ、神木まで。

『のが、みはいいや』
「スカートはミニ!」

なんか知らんけど、熱弁してるし。

『あらたー』
「…」

寝てんじゃねーか!

『…はぁ』

覚悟決めるか、ちくしょー。






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