牧side

『そりゃわかりますよ。あれだけ言ってたら』
「もう可愛いのよ。ずっと側に置いておきたいくらい」

俺が苦笑しながら言っても、匠美さんは全く気にしてないらしい。

「だから最初はこんな全寮制の高校なんて私たちは反対だったんだけどね?」
『こんなド僻地ですしね』
「ええ。でも良かったわ」
『なんでです?』
「牧くんたちみたいな、良いお友達と出会えて」

全く。そんな恥ずかしいこと、面と向かって言わないでよ。

「うちの弟可愛いでしょ?」
『そうですね』
「うちの弟のこと好き?」
『はぁっ!?』

い、いきなり、なに言ってるんですか!?

「好きよね?」
『え、そりゃ、まあ』

好きか嫌いかでいったら、好きだけどさ、そりゃ。
けど、そんな聞き方!!

俺、ホモみたいじゃない!?
違うよ!断じて違うんだけどね!?


「良かった。私、同性愛とか偏見ないから」
『ぶっ!!!』

思いっきり吹いた。
何を言いますか、お姉さん。

「ごめんごめん」

お腹を抱えて笑ってらっしゃる。
なんか、馬鹿にされてる気がする。

「私好きよ?牧くんのこと。可愛いしね?」
『あはは、ありがとうございます』

うわー、モテた!

「けど、颯天とは別だから。
あいつのこと泣かせたらいくら牧くんでも許さないわよ?」

…前言撤回。
笑顔で言わないでください。そいういうの。
めっちゃ怖いっす、匠美さん。

『は、はい。もちろんです』
「うん、よろしい」

いやー、きみは本当に、愛されてるね颯天くん。





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