いざ雲の元へ

「今日はここまでー」

授業の終了を知らせるチャイムと共に、先生は言って教室を出ていこうとした。

「あ、日下
教科書は明日やるから」

『…はい』

頷くと、今度こそ教室を出ていく。


「日下さんバイバイ」

『…またね』

先生の後を追うように教室を出ていくクラスメイトが遠慮がちにこちらに手を振ってきた。

だから雲雀に教えてもらったように、『またね』って言っておいた

…だって、また明日会うもんね?



「リリィちゃん帰ろ」

『…私、雲雀のところ行かないといけないから』

「…雲雀のヤローに用あんのかよ」

『…猫、預けてるの』

「雲雀さんに!?」

わけを知っている沢田はすごく慌てているけれど


『…雲雀の居場所教えてくれない?』

「う、うん」

上目がちに聞けば、吃りながらも答えてくれた。

そのまま獄寺も同行することになって。

なぜか山本も今日は部活が休みになったとかで、一緒に来てくれることになった。



*


「ここだよ」

『…応接室?』

なんか良い部屋そう

――コンコン

ノックすると少しおいて

「誰」

『…私』

「あぁ君か…入りなよ」









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