山本side


今日は野球の朝練終えて教室に滑り込んだが、どうやら授業担当はまだ来てないらしい。

ラッキーとか思いながら周りのダチに挨拶しつつ、自分の席に座ると、いつも俺より先に席についてるハズのツナが教室に駆け込んできた。

「おーっす、ツナ」

「あ、おはよ!山本」

「今日は遅いのな」

なんかあったのか?

「実は噂の転校生と朝一緒に来ちゃってさー」

「へー。良かったな」

転校生なんて来るのか。
初めて知った

ま、どんなやつでもいいけどな。

ツナと別れて机に突っ伏すと、一気に眠気が襲ってきて。

瞬間に俺はそちらに落ちていた―――



*



「んっんー!!」

目が覚めて、反射的に思いっきり伸びをすれば

「痛てっ」

頭を何かで叩かれて、そちらを見ると授業担当の先生がすげー怒ってる。

適当に笑って流すと
「ったく、日下にページは教えて貰えよ」

ん…日下って誰だ?
このクラスにんなやついたか?


『…おはよ』

「ん、あぁはよ」

反射的に返したが、今まで俺の隣の席は空席だったはずで。

『…勝手に教科書借りちゃった』

『ごめん』と微笑む彼女に、俺はすぐ返事をすることができなかった。

なぜなら
見とれていたから―――







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