雲雀side
「なに、君。この学校の生徒じゃないね」
睡眠を妨害された上に、その犯人が部外者ときた。
よっぽど咬み殺して欲しいみたいだね。
『…』
その問題の女はただ僕を凝視している。
彼女は僕の名を呼んだ。
ある程度名を知られている自覚はあるけれど、そういう奴等は大抵呼ぶ声に恐怖心が混じるものだ。
けれど、彼女にはそれがなかった。
どうして、僕を知っているんだ。
「君、何者なの」
『…』
「何か言ったらどうだい。咬み殺すよ」
『…咬み、殺す?』
話しにならない。
というか会話にならない
そう考えた僕は、トンファーを構える。
「まあ、いいよ。無理矢理話させるから」
『…!』
僕の殺気を感じ取ったのか、彼女の目が変わった。
…ふぅん
少しはやるみたいだね。
たんなる気まぐれで入った並盛高校だけど
本当につまらなくて。
ここを統一するのも、ここの上に立つのも簡単すぎて、呆気なかった。
高校もこんなものか。
退屈すぎて並中に戻ろうかな、なんて考えていた時に彼女が現れた。
しかも少しはやれるみたいだし、僕の暇潰しになってもらわないとね。
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