君も一緒に
「えええっ!?こ、これから学校だよ!?」
『…ダメ、なの?』
少し見上げながら聞くと
「ダ、ダメっていうか…常識的にっていうか…。
雲雀さんに聞いてみたら何とかなるかもしれないけど…」
雲雀って…
『雲雀恭弥?』
「そう、だけど何で?」
どうして知ってるの、って。
何て言えばいいんだろう
『…約束、したから』
「…約束?」
『…行こ』
より一層不思議そうな顔をする沢田に、それ以上どう言えばいいか分からなくて、無理矢理歩き出した。
その振動で胸の中の小さな顔がこっちにのびて、私の頬を舐める。
それに優しく微笑んで
『お前をひとりになんて、絶対させないからね』
囁けば、子猫はそれに答えるように小さく鳴いた。
「ま、待ってよ!」
後ろから沢田が走ってくる音と声が聞こえて、私たちは自然と並んで歩き出した。
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