電話
あれからマンションに戻って色々していたら、すぐに夕方になってしまった。
備え付けのシャワーを浴び、髪を乾かしながら
ご飯どうしようかな?
なんて考えていた時
『そういえば携帯見てなかった』
出掛ける際にポケットに入れて、それきりになっていたモノをポケットから取り出すと
―――RRR…!
『…!』
それを見計らったようなタイミングに肩が跳ねた。
内心ドキドキしながら発信者を確認することなく、そのまま通話ボタンを押す。
相手は、分かってた
『…もしもし』
「リリィ」
『…カズキ』
どうしよう
カズキ、怒ってる。
「どうして俺に黙って日本なんかへ行ったんだ」
『任務だし、カズキに言ったら絶対付いてくると思って』
「そりゃあ行くだろ!」
なんて、何故か自信満々に答える彼に諭すように話す。
『カズキはオウディのトップなんだから、そこを離れちゃダメ』
「…しかし」
『だーめ。
私は大丈夫だから、ね』
本当は心細い
誰かにいて欲しい
なんて絶対
言えないし、言わないよ
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