屋上で

『…そうだ』

荷物整理もあらかた終わった時、ふと思い出した。

サワダと同じ学校に入学するんだっけ
ちょっと見学行ってみようかな。


学校に通ったことなかったからちょっと楽しみだったりする。

高鳴る胸を抑えて携帯だけをポケットに入れて高校へと向かった。


*



『へー、学校だ』

当たり前の感想を述べてやってきたのは並盛高校。

管理人さんに場所を聞いて、まだ早い時間だから門は開いてなかったけど

ちょっとだけ、と門を飛び越えて唯一鍵のついていなかった非常階段をのぼる。

その行き先は分からないけれど、てっぺんまで行ったら帰ろうと思って歩みを進めていると、扉にたどり着いた。


もうてっぺんか、少しつまらないと感じながらもその扉を開ける。



『…』

思わず言葉を失った
だって、すごくキレイ。

てっぺん(屋上)から見る景色は本当に、キレイとしか言いようがなくて。

すぐに帰るつもりだったけど、いつまでも見ていたいような気分にさせられた。


「…ん」

『…!』

誰か、いる?


景色に目だけでなく意識も奪われていたため、人の気配に気づかなかった。

その人は、大きく欠伸をしながらゆっくり体を起こす。

…その顔には見覚えがあった。

『ヒバリ、キョウヤ…』

「…君、だれ?」


そこにいたのは
雲の守護者――だった







⇒あとがき


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