最上階
いざその部屋に行ってみれば、なんでかムダに最上階だった。
『…ほんと、私なんかにこんなことしてくれなくていいのに』
またも素直にこぼれた本音。
だってこの広い部屋にひとりは寂しすぎる。
動物、とか飼ってもいいのかな。
でも任務だし浮かれちゃまずい、よね。
エトーには娘がいない、だから私をそれのように扱ってくれるんだと思う。
私もエトーのことは本当の父のように大切に思っているし、大好きだ。
だから、きっと心配してくれてこのマンションなんだと思うんだけど。
逆に落ち着かない…
それに、ある程度戦えるんだから大丈夫なのに
いつまでも私をいつまでも小さい子どもみたいに扱うところは、カズキとそっくりで。
『やっぱり親子だね』
小さく呟いて、クスリと笑みがこぼれた。
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