新しい任務

『なにか、話?』

あの後自室で着替えを済ませた私は、再度エトーの部屋を訪れていた。

エトーに促されて、彼の正面にあたるソファに腰かける。



「急ですまないが、任務を受けてほしい」

手渡される資料。
その顔はとても険しくてあぁ、簡単な任務じゃないんだなって。

「今やこのマフィア界じゃ名の知れた【ボンゴレファミリー】、知っているね?」

知っている
実際に戦ったことや、見たことはないけれど。
すごく、強いってことくらいなら。


「そのファミリーのボスを咲かせることが今回の任務だ」

咲かせる、っていうのは
殺す、って意味で。

『…ツナヨシ・サワダ』

顔写真つきの資料
…正直、あまり、強そうとは言えない。


「写真は貧相だが実際、計り知れない強さを持つ男だ」

『…オウディに邪魔なの?』

エトーは少し間を置いて「あぁ」と呟いた。

なら、もう決まってる

『…行くよ、日本』

「…すまない、リリィ」

頑張るよ、私
だからそんな悲しそうな顔しないで。

抱き締められた背中に手を回しながら、そんな想いをささやいていた。



―日本
―サワダツナヨシ

オウディを阻むことは
許さない―――!








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