大好きな人たち

『ただいま戻りました』

任務を追えてオウディに帰ってきて、まず決まり事のエトーに報告。

「あぁ、リリィ
怪我はなかったかな」

『はい、大丈夫です』

「そうかいお疲れさま」

ニッコリと微笑むエトーにつられて私も微笑む。

「着替えたらまたおいで」の声に返事を返し、自室へと向かった。

エトーも好きだ
優しいし、私を本当の娘のように扱ってくれる。

だから、エトーが守りたいオウディを私も守りたい。

そのためなら、私は――




「リリィ!!」

呼ばれた方を向くと、心配そうな顔をしたカズキが走ってきていて。

『カズキ、だめだよ。
傷が開いちゃう』

「そんなの、構うか!
本当に大丈夫か?」

実は先ほどの任務、カズキのところにきた依頼だったのだけれど。
その前の任務でカズキは仲間を庇ってケガを負っていて、安静にしていなきゃいけないからちょうど空いていた私が代役で出たというわけで。

カズキはあまり頭脳戦は得意ではないけど、武術に関しては誰もが憧れる人(かくいう私もそのひとり)。
私に武術を教えてくれたセンセイであり、幼い頃から一緒で兄のような存在でもある。


『大丈夫だから。
ほら、部屋戻ろう?』

笑顔で促して、肩を貸す

私の笑顔に安心したのか「そうだな」と素直に応じてカズキの部屋に向かった。








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