03
入学してきた時から
何故か男子に呼び出されてしまう。
まぁ、全部が“付き合って”って
内容だったけど。
あたしって買い物上手って思われているのかな?
本当は、買い物なんか得意じゃない。
だって選ぶ時間とか長いし、買うのだってセンスがないものばかり。
そんなことを思っている間に、もう屋上についていた。
「あ、ごめんね」
「い、いえ」
先輩は、掴んでいた手をそっと放してくれた。
しばらく先輩をじっと見つめていたら、先輩の顔が赤く染まった。
「俺の顔になんかついてる?」
「いえ!!見れば見るほどカッコいいなぁと思いまして」
「…っ!!」
「ちょっ先輩!!顔真っ赤ですよ!!もしかして風邪引いたんじゃ…」
大変!!どうしよう…。
先輩の顔がさっきよりも赤くなっている。
そういえば
あたしも朝起きた時、熱あったことを思い出す。
ま、あたしの場合、微熱だったからよかったけど…先輩は、風邪っぽい。
「風邪とかじゃないから大丈夫」
「えっ!本当ですか?」
先輩は、顔を真っ赤に染めたまま、微笑みながら頷く。
よかった…風邪じゃないだ。
もしかして、この暑さのせい?
「確かに今日は、暑いですよね」
なんて言うと驚いてる様子。
変なこと言ったかな…?
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