リズに謝ってマルフォイと仲直り?のようなものをしたと報告すれば、実につまらないという顔をされた。そして次の日にはみんなわたしと以前のように普通に接してくれた。わたしは勇気を振り絞ってマルフォイにおはようと言った。マルフォイは偉そうにフンと鼻を鳴らしただけだった。次にポッターたち3人組を見つけたのでおはようと挨拶すれば、返事をもらう前にマルフォイが噛みついて来た。

「慣れ合うだけ時間の無駄だぞ!」
「マルフォイには言われたくないけど」

そのやり取りを、リズは新しい玩具を見つけた子供のように笑って聞いていた。





授業は楽しい、その中でもとりわけマクゴナガル先生の授業は実におもしろい。変身術というものが素晴らしいのだ。わたしはきっと才能があるのだろう、特に苦戦することもなく先生が出した課題をこなしていく。おかげでスリザリンに10点が入った。

「やるじゃない」
「ありがとう」

リズが珍しく褒めてくれて調子に乗っていると、ふとじとりとした視線を感じる。それを辿ればそれはそれは不愉快そうな(実際そうなんだろうけれど)マルフォイがこちらを見ていた。手元を見れば、本来蝋燭に変えなければならないはずのマッチ棒はそのままであった。これは、

「(…わたしにできて自分にできないことが悔しいと見た)」

実際それしか考えられないだろう。もう前件のことは謝ったし、それ以来特に大きなことはしていない。にやりと笑えばぎらりとこちらを睨みつけてから自分の作業に取り掛かっていた。かわいい奴め。





「僕を馬鹿にしていただろう」
「何を今更」

夕食時に話しかけて来たので素直に返事をすると、反応したのは隣にいるパーキンソンであった。彼女は何かに似ていると思っていたが、最近気付いた。パグだ。申し訳ないけれど。そのパグ女が醜い顔を更に醜くさせて、せっかくそれなりにかわいらしいのに台無しになってしまっている。ああ、残念なことだ。

「マルフォイ、確かにわたしの方が変身術は優れてるけど、馬鹿にしたことはないつもり」
「いいや嘘だ!」
「本当だよ、マルフォイかっこよくて頭良くて非の打ちどころがないもん」

相手をするのが面倒なので適当に褒めておけば顔を真っ赤にして「うるさい!」、マルフォイの方がうるさいのになあと思っていればパーキンソンがドラコはシャイなの!あんたみたいな男たらし最低だわ!とキリキリ叫ばれる。そんなどちらかと言えば不釣り合いな二人の後ろ姿を見つめていれば、こちらに手を振るウィーズリーがいたので振り返した。


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