15


「よかったね、勝己君とデート。」
「ややややっぱこれってデートだよね??!!」
「うらやましいわ〜。」



洗面所で化粧をしていたら鏡越しにお母さんに話しかけられ、モヤモヤしていた気持ちを代弁してくれた。やはり若い男女が二人で出かければデートと考えても自惚れではなさそうだ。
たかが一ファンが推しとデートだなんて本当におこがましい話なんだけれども、まあ心の中でならそういう風に捉えてもいいかなーというか、いや実際こんなご褒美があるから雄英のクソムズイ授業とか課題とかアホな変質者とかどうにかこなしてこんな縁もゆかりもない世界で生きてるんだわ。これくらい許してくれ神様。
改めて推しとのデートを実感したことで、マスカラを塗る手が少し震える。本当は叩き起こされて出かけることがわかった時点で10分で支度しようと思ったのだが、歯磨きをしていたら勝己君直々に「適当な格好すんじゃねーぞ。」と言われてしまった。そして勝己君は時間を潰す為自宅に戻ってしまった。
適当な格好…じゃないもの…?普段なら他人の格好に絶対口出しをしない、ましてや服装だなんて一切気にしないであろう勝己君からのその一言は、つまり“いい感じに着飾れ”ということなのでは…??というわけでひとまずメイクをしながら服装を考えているところだ。

「(そもそも高校生はメイクしないもんだっけ…?いや、中学くらいから周りも興味は持ち始めた気がする…。だめだ、武装が当たり前になる前の記憶なんて昔すぎて思い出せない。けど、濃くないしいいよね。とりあえず何着ていこう…。)」

結局準備には1時間かかり、先日エレベーターに閉じ込められた日に買ったリップを塗ってから家を出て爆豪家のインターホンを押せば「オセエ!!!!」と勝己君が怒鳴りながら玄関の扉を開けた。すぐそこで待機していたかのようなスピードだ。ひとまず平謝りする。なかなか服が決まらなかったのだ。

「アンタ迷惑かけんじゃないわよ。」
「かけられる側だ!!」
「勝己のお守りよろしくねー、いってらっしゃい!」
「ははは…いってきます。」

最後まで煽りまくる光己さんに挨拶をして、勝己君と家を出発した。

家を出る前に光己さんが教えてくれたのは、夏休みにあるという勝己君の林間合宿についてだった。合宿の準備でいくつか買わなければならないものがあるらしく、せっかくなら私も誘えばいいと光己さんが勝己君に提案し、何がどうなってそうなったのかは謎だがその提案は採用され今に至るというわけだ。
合宿のための買い出しとなればそこら辺のスーパーやコンビニじゃ済まない。一体何が足りないのかはわからないが、少し足を伸ばして大きなモールとかの方が何でも揃っているだろう。それならば、人混みはすごそうだが県内最大規模のショッピングモールに行くのがいいかもしれない。

「あ、あそこは?なんだっけ、県内で一番デカいモール、」
「行かねえ。」

一刀両断されたショッピングモールではなく、比較的近場の栄えたモールに向かうことになった。確かに人混みすごそうだし、勝己君人混み大嫌いだろうしな。
電車で向かうため駅前に着くと、勝己君が口を開いた。

「腹減った。」
「ですよね!ごめんね、先にどこか行こうか。」
「お前は何食いてーんだよ。」
「えっ。」

うーーーーーーーん、辛いものあるところがいいよな…。和食は辛い料理がある確率低いし、中華か洋食かな。

「余計なこと考えてんじゃねーぞ。いいからお前が決めろ。」
「…あー、じゃあ、遠慮なく。」

お言葉に甘えて、ここから少し先にある生パスタが食べられるお店に行った。前から気になっていた。彼には物足りないかもしれないが辛めの料理もあるだろう。
お店に入って、私はトマトクリーム、勝己君はペペロンチーノを超激辛で注文した。店員さんは少し戸惑っていたので割増でもいいから許される分の鷹の爪を、とお願いした。果たして勝己君の激辛欲は満たされるのか。

「何買うの?」
「服。」
「だよねえ。」

ズコーーーとコーラを飲んでいるのを見て、私もカルピスを飲んだ。セットのドリンクは食前にして正解だったようだ。

「私も準備しなきゃないなぁ。」
「あ?どっか行くのか。」
「うん、お母さんと、I・アイランド?ってところに。」

お母さんがお金持ちのお客さんから、海外にあるらしい人工の島?都市?で行われる博覧会のプレオープン招待チケットを2枚いただいたのだ。このために(この)人生初のパスポートも発行した。お母さんと2人で旅行に行くのは実は初めてなのでけっこう楽しみである。

「…あそこか。」
「知ってる?」

どうやら勝己君も知っているようだ。最近ニュースで取り上げられていたもんな。

「体育祭で優勝したとかで手紙届いてんだよ。」
「……エッッッッッ待ってそれI・エキスポのプレオープンの招待状ってこと?勝己君も?行くの?!嬉しい〜!!確か夜にパーティーもあったよね!お母さんとパーティードレス買わなきゃって言ってたんだけど、じゃあ勝己君もスーツとか着るよね!?え、見かけたら話しかけてもいい?ていうか会いに行ってもいい?写真撮らせてもらってもいい?!?!」
「ウゼェ。」
「スミマセン。」
「んなもん着るかよ。」
「えっ…?!」

勝己君の一言にガン、とショックを受ける。

「I・エキスポとやらには興味あるけどな、んな堅苦しそうなパーティーなんぞ出るわけねーだろ。かったりィ。」
「そ、そんな…!!」

か、勝己君はパーティーに出ないってこと…!?ということは貴重な正装姿を見ることができないってことか…?!
学生である今の正装は制服だ。スーツ姿なんて大人になればいくらでも見れるかもしれないが、子供でもない大人でもないまさに今、成長過程の勝己君の大人びた姿を私は見たいのである。多分相当やばい絶対めっっっちゃやばい。想像しただけで息切れしてくる。え絶対死ぬじゃん私…最推しの正装とか…おかずにして米食うことすら恐れ多いわ。拝み倒すことしかできないと思う。

「お待たせいたしましたー。」

注文した料理が運ばれて来る。勝己君のペペロンチーノには一つの具材かのように鷹の爪が散らばっていた。そんな量見たことないよ…。超激辛で頼んだから種も一緒に入ってそうだ。うわ、躊躇なく食べた、辛そう…。

「あれ、一人で行くの?」
「………。」
「………?」
「………アホ髪がうるせーからな。」
「切島君と行くんだ!楽しみだね〜。」
「テメーの脳みそ腐っとんのか!!」

勝己君は絶対スーツ持たないから切島君に根回ししなきゃな!!!!!



ショッピングモールに着くと、勝己君は迷うことなく目的の店舗に入り服やら下着やら購入していた。私に履いてるパンツを見られても気にしないようだった。私はめちゃくちゃ気にしてますけどね??!!しっかり!!!見ちゃいましたけど!!!!????ストーカー女に隙を見せるべきではないぞ勝己君…。申し訳ないけど眼球に焼き付けたからな…?
買わなければならないものは無駄なくリスト化していたこともあり、買い物はすぐに終わってしまった。

「靴とかは?」
「…見る。」

履いていく靴のつもりで言ったが、勝己君はスニーカーコーナーをスルーして登山用の靴を見に行った。おお、本当に好きなんだなあ。こういうのって買うかどうかは関係なく眺めたりするだけでも楽しいよね。勝己君も本当に必要なら自分一人で買いに行っているだろうし、今は完全に趣味の世界だろう。は〜〜〜〜じっと見てる横顔良すぎるほしいものなんでも買ってあげたい早く稼いで貢げるものなら貢ぎたい…でも勝己君は誰かに物買ってもらうような性格じゃないだろうな…。

「…行くぞ。」
「もういいの?」
「十分見た。」
「はーい。」

靴屋を出て、自然と足はショッピングモールの出口へと向かう。家を出たのが少し遅めだったこともあり、壁にかけられた時計を見るとなかなかもういい時間だった。

「あとは?足りない物ない?」
「ねーよ。」
「ハンカチティッシュは?」
「母親かお前は。あるわ。」
「あるんだ。」

ボケたわけではないがしっかりツッコミをしてくれたことにほっこりした。しかもちゃんとハンカチティッシュも持つ習慣があるらしくマナーがなっててかわいい。

「何笑っとんだ。」
「え?笑ってた?あっ、ワンちゃん!かわいい〜。」

無意識にニヤニヤしていたようだ。それを別に隠すつもりはなかったが、その前に目に入ったペットショップでキュートな子犬を見つけて結果話を逸らす形になってしまった。少しずつペットショップに寄ると勝己君も何も言わず黙ってついて来てくれたので、遠慮無く窓ガラスに貼り付かせていただいた。

「ヒャア〜〜ちっちゃあ…かわいい…。」

コロコロしてる…かわいい…ガラスに潰れた寝顔マジ天使…。デレデレが止まらない。やはりペットには憧れがある。が、私生活に時間とお金の余裕がないと飼えないな。社会人の時はもちろん毎日朝から晩まで働いていたしお給料や休日はオタ活推し活に使っていたし、命を飼う責任なんて持てる状況ではなかった。まあずっと独身だったら将来飼おうかなくらいには思ってたけど…。ずっと一人は寂しいし、この調子でいくと多分この人生も独身を謳歌しそうだから本格的に考えようかな。今はまだ早いけど。

「ウワー奥にもネコちゃん!見てもいい?」
「勝手にしろ。」
「ギャ〜!かわいすぎる…!」

キャットタワーでウロウロしている子や隅に埋もれるように寝ている子、個性豊かでみんなかわいい。ていうかネコチャン!肉球ピンク色かわいい!!ペットショップってかわいいと癒しが溢れてて本当にヤバい!!みんなうちお迎えしたいくらい。でもみんなを幸せにできる自信がないな、お金も時間も撫でるための腕も足りない…。
はぁ、将来犬と猫どっち飼うか迷っちゃうな。犬猫以外の選択肢もあるし。そもそもペットショップじゃないところの出会いもあるかもしれない。

「ねえ勝己君!」

勝己君の意見も聞いてみようと振り返ると、突然過ぎたのか驚いたようでビクッとされた。犬猫に興奮し過ぎて勢い良すぎたかな。

「な、んだよ。」
「勝己君は猫派?犬派?」
「アァ?別に、どっちでもいーわ。」
「そうだよねどっちもかわいいよね〜!私も迷っちゃう〜。」
「お前の耳は飾りか!?」

そんなこと言いつつも勝己君の耳はしっかり赤かったので、おそらくペットショップのワンちゃんネコちゃんのかわいさにやられちゃっている。そんな勝己君がカワイイ〜!!



ペットショップを後にし、今日の予定はすべて終わったので最寄り駅へと向かう。あとは家に帰るだけだが、こうして終わってみればデートだなんて呼べないまさにただの買い出しだった。
しかしいいのだ。デートだろうが買い出しだろうが、勝己君と二人で外出しご飯を食べて買い物をしたことには変わりないのだから。大変貴重な体験であった。お母さんに自慢してやろう。

「便所。」
「あ、うん。」

推しもトイレに行くんだな…と変態のような感想を持ちながら勝己君の後ろ姿を眺め、スマホを開いた。時刻表を確認したら次の電車まで少しだけ時間がある。私もトイレ行っておこうかな。いや、今のタイミングだと勝己君とすれ違ってしまいそうだ。勝己君が戻ってからか、あるいはあとでもいいかもしれない。その時手元にふっと影がかかったので、勝己君が戻って来たのかと思い顔を上げた。

「今ちょっといい?道教えてほしいんだけど。」
「てかかわいいね。今何してんの?一人?」
「いやそれが恐れ多くも超超超イケメンな未来のヒーローの卵つまり日本の宝であるお方のお供をさせていただいててこれその子のパンツなんですけど、ヤバくないですか?推しと推しのパンツ買うんですよ?超ヤバくないですか?あっ道案内でしたっけどこ行きたいんですか?」

道を聞いて来た若者二人に勝己君から預かっていた買い物袋のパンツを見せたところ、目的地を話すこともなく去っていってしまった。未来のスーパーヒーローの未使用パンツを見ることができただなんて、ファンなら金払ってでも見たいレア物なんだから逆に感謝してほしいくらいだ。あれっ咄嗟にやってしまったが推しのパンツを簡単に他人に晒してしまうなんてファン失格じゃないか?

「なんだアイツらは。」
「ヒッ!」

突然のご本人登場に肩を震わせる。まさかナンパを追い払うためにパンツを使用しただなんてブチギレられそうなこと口が裂けても言えないので、買い物袋のシワを綺麗に直しながら道を聞かれただけだよ〜とモゴモゴと誤魔化した。

「じゃあ電車乗ろっか?」
「…。」
「まだ買い忘れあった?」

改札口へ向かおうとするが、勝己君の足が動かない。何か我慢?していそうな顔をしているかと思えば、その眉間の皺はどんどん深くなっていく。顔がいいから怖いけど目を逸らせない。でもまぁ無言で睨まれたらやっぱり怖いわ、私何かしたっけ?

「うーんと、またモール戻る?」
「おい。」
「はい。」
「……なんか買うモンねーのか。」
「買うもん?」
「っお前の!買い物に!付き合ってやるっつってんだよ!!ついて来いやストーカー女!!」

そう言ってドスドスと歩いて行く後ろ姿に、呆けながらも大変な事態になっていることに気付き背筋がゾッとした。

「な、なにこの夢小説展開…。」

やっぱり私死んでるのか????



ひとまず勝己君に追い付き、横に並んで歩いてみた。彼は恐らくこの先にある駅ビルに向かっている。駅ビルなんてほとんどレディースのショップばかりなのに、えっ本当に?入っちゃうの?私の買い物に付き合ってくれるの??女物のお店にいる勝己君ってフレッシュで目が潰れそう…。

「女ならこーいうとこ好きだろうが。」
「えっうん好き…勝己君すご…本当にいいの?」
「適当に見てこいや。」

駅ビルの中にある一つのアクセサリーショップに立ち寄り、勝己君はそう告げて店の前にあるベンチに座り込んだ。自分から言い出した割には少しぐったりした顔をしている。駅ビルのキラキラにあてられたのかもしれない。
このアクセサリーショップは駅ビルに入って割とすぐの場所で、いつもの私ならもう一つ入っているアクセサリーショップも見ている。だが、勝己君なりに私を気遣いどうにか頑張ってここまで来てくれたのだろう。何も言うことはない。いやーーーーーキュンです!!好き!!正直普段は化粧品同様アクセサリーなんて見るだけでなかなか買わないけれども、ここでほどよく見繕い記念に買わせていただきます!!
店舗内をウロウロ見て歩きながら、たまにベンチにいる勝己君をチラリと見る。目が合い、「いいからさっさと選べ」と書いてあるキレ散らかした顔で顎をしゃくられる。居心地の悪さに耐えているようだ。確かに背景がレディース物のお洋服屋さんで、私はこっそりその似合わなさに悶えていた。ある意味似合っている。

「(…あ、これいいかも。)」

手に取ったのはパールがあしらわれたデザインのイヤリングで、近々行く予定のI・エキスポのパーティーの際につけれそうなデザインだ。せっかくパーティードレスを着るのだからアクセサリーもつけたいと思っていたので、これは丁度良さそうだ。一応辺りを見回してこのデザインが一番気に入ったことを再確認し、ついでに目にとまった普段使いできそうなデザインのイヤリングも手に取ってレジに向かった。記念だ記念。

「それに決めたのか。」
「ウワッ。」

レジカウンターで商品を店員さんに渡して財布を準備していると、いつの間にか背後に立っていた勝己君に驚いた。身を引いたことでレジ横にあった商品にぶつかりそうになったがどうにか堪えて、バクバクした心臓を押さえる。勝己君がいた驚きより商品にぶつかりそうになったことの方が心臓がキュッとなった。ぶちまけて壊したら大変なことになる。

「う、うん。」
「どけろ。」
「え、はい。」
「いくらだ。」
「4,200円になります。」
「え!ちょ、いいよ自分で買えるから!」
「黙ってろ。」
「いやいや、いいから!」
「ババァにお前用の金もらってんだよ!!」
「え、そうなの?いやそうだとしても!」

突然の申し出に戸惑うが、絶対支払う気満々の勝己君は止められなそうだ。店内でレジ前だし、お店にご迷惑がかかるからひとまずこの場ではお金は出してもらった。お金だけ払うと勝己君はさっさとお店を出てしまい、袋に包まれた商品を受け取って私も後を追いかけた。
ベンチに座る勝己君はスマホをいじっていた。私がお店から出たのを見ると立ち上がって出口に向かい始めたので、それを追いかけて私も隣に並んで歩く。少し迷ってから私は口を開いた。

「…お金渡したら受け取ってくれる?」
「いらねっつってんだろ。」
「じゃあこれ買ってもらっちゃうけどいいの?」
「しつけー奴だな。」
「だって…、…ありがとう。」

若干震える手でカバンの中にイヤリングを丁寧に丁寧にしまう。なんだか意識が飛びそうな、ふわふわしたような、そんな気分になる。思考が止まっている。動き出したら、気付いてしまったら、どうなってしまうのか。

「…なんか、勝己君からプレゼントもらったみたいでそんな奇跡みたいなこと受け入れるの難しくて、しかもイヤリング2つも、本当にどんな不幸な目に合ったらトントンになるのか…ただでさえ買い出しに同行させてもらってるのに…。」

両手で体をぎゅっとするようなリアクションをしたら、横から「アホか。」という言葉と共に鼻で笑う音が聞こえた。

「そんなに何かしないと気が済まねーならジュース代出せよ。」
「え、喜んで…!それなら1階にあるカフェで何か買う?」
「外にある自販機でいい。」
「そ、そうか…。」

会話がなくなる。少し時間が経って落ち着いて、脳みそが働き始める。

………ッッッッウーーーーーーーーーワ!!!!!ワ!!!!ウワァーーーー!!!!!!!!!!!かかかかかか勝己君にぷっプレゼント???もももももらっちゃったんだけど!!???嘘だろ!!!!買い物に付き合ってくれるなんて気まずそうな顔の浮いてる感カワイイ〜〜〜とかそんなこと考えて油断してたらこれだよ!!!!や、やばいどうしようこれ今まで幸せな気持ちになる度に散々死ぬかも死ぬかもと考えて来た私だけど、最早死ぬよりつらいことが待ち受けているんじゃないかって恐怖が芽生えて来る……いや怖……。まぁ本当、本当に、言葉にならないくらい嬉しいってことなんだけどさ……!!!!だって推しが、会えるわけない推しが幼馴染になって?同じ高校通って?あとなんだっけ?もうこの人生が些細な幸せと大きな幸せに満ちてて幸せしかなくて、本当神様仏様ありがとう!!!!あと誰に感謝すればいい??!!ひとまずこの家宝は生まれるかはわからない子孫に代々言い伝えていくとして、大切に扱ってもらって、そうなればクソ高い金庫とか買わなきゃないな…いくらするんだろ…将来集めるであろう一生モノのグッズとかのことを考えれば大きいやつ買わないとな…これで火事でも洪水でも何か起こった時には安心して生き延びることに集中できる。万が一の時も心置きなく成仏できる。よし、大丈夫だ、落ち着いて来た。いざという時はいつでも不幸を受け入れる覚悟はできた。今はこの幸せを噛み締める…!!!!
将来の人生計画に金庫の購入を組み込んで、勝己君にしっかりお礼を申し上げるため彼の麗しい横顔を見上げた。



「勝己君、ありがとう!大切にします。」



クソデカ神性能金庫に守ってもらいます!!



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