6(体育祭)


「せんせー、



俺が一位になる。」

沸き起こる凄まじいブーイングの中、溢れ出す思いを押さえ込むため私は一人ぐっと唇を噛んだ。

今日も推しが推しで尊い。





ついに雄英体育祭が始まった。
ヒーロー志望ではない私からすれば最高のイベント(断じて単なる学校の一行事などではない)だが、優勝更には世間への自己アピールを狙っているクラスメイトや他クラスの子達の目はギラついていて打倒A組の文字が見えた気がする。あまりの真剣さに迂闊に声はかけられない。モブはモブらしく枠の外から応援しようと心に決めた。
オリンピック選手さながらの入場を終え、インテリ系(笑)の私ともう一人のインテリ系、高校の友達はクラスの後ろの方へと並ぶ。あと2回は日本代表気分を味わえるのかー。貴重だなー。

「うわミッドナイト先生エロいなー。男子高校生にあれって大丈夫なの?」
「あれが許されるってすごい世界だよね。」
「世界って。」

思わず漏れた本音に高校の友達が笑う。しかしあの危ない格好で立派なヒーローとして認められるって、元の世界の日本じゃ考えられない。この世界の日本はどうもいろいろ緩い気がするが、まあ、漫画の世界?だしなあ。
選手宣誓を終えた勝己君が元の場所に戻ったあたりで、ミッドナイトの声と共に種目の発表が始まった。ドゥルルルとシャッフルが行われみんな焦らされているが、競技名どころか内容も知っている私は落ち着いている。

「コレ!!」

ミッドナイトが差した方向には、案の定大きく書かれた“障害物競走”という文字があった。
「4キロかー…、長いなあ。」 ミッドナイトの説明を聞いた高校の友達の言葉に、距離の問題じゃないだろと心の中でツッコんだ。なんでもありの障害物競走だよ?個性使い放題ってことだよ?個性使い放題の生徒への障害なんて、私みたいな激弱個性にとっては一歩間違えれば死ぬやつだよね??
どんな障害かはなんとなく覚えているので多少は頑張るけれど、生きて戻ることを目標にした。個性使えばある意味一着でゴールできるんだけどな、幽体だけど…。

すぐに始まるらしく、大きな音をたててスタート位置のゲートが開き始めた。選手宣誓からの競技が早すぎる、一切の余韻もない。クラスメイトたちのアドバイス通り準備体操をしておいてよかった。
前方にあるランプの一つが点灯する。あのゲート、確か狭くてぎゅうぎゅうなんだよな。
もう一つランプが点灯する。フィジカルに自信はないから圧死しないようにしないと。
最後のランプが点灯し、一斉にみんながダッシュした。遅れをとらないよう私も足を動かす。

スタート直後すぐに轟君が氷の個性を使うはず、と思ったら前方から叫び声が聞こえ、すぐに目の前が詰まり始めた。顔をあげれば、個性を使用して人混みを飛び越えるようにぐんぐん小さくなっていく背中がたくさん見える。あぁ、近づく前に早速離れ離れ。本来ならば目の前で活躍する彼らを拝みたかったが、始まる前から多少は諦めていた。
それにしっかり録画予約して来たので対策はばっちりだ。テレビ中継最高!!帰ったら寝る前に見よう…。

凍らされた地面を転ばないよう気をつけながら進む。足が固定されている人たちは冷たそうだ。凍傷になる前に助けてもらえるといいね。
前方の方々(多分A組とか)が溶かしてくれて露わになっている地面をどうにか辿っていけば、大きな広場にたくさんの巨大なロボットが待ち構えていた。

ついに来たか…わかってはいたけど…、

「コッワ!!」

無理じゃんこんなの!!!
さすがに命を落とす前にリタイアするかと周りの状況を伺うと、みんなが慌てた様子でようにロボットの足元を駆け抜けて行っている。何故そんな自殺行為をしているのか不思議に思うと、手前の巨大ロボが尻餅をつくように座り込んでおり、それに押されて向こう側のロボットたちもこちら側に向かって来れないようだ。なるほど!前方の誰かが作ってくれたチャンス!すでにロボットは起き上がろうとしており、ついてくるミニ(とは言っても私と同じくらいの)サイズのロボットから逃げながら、こちらもどうにか巨大ロボットゾーンを抜けた。ラッキー!!

「…でも、さすがにこれは無理だなー。」

運良く一つ目の壁を乗り越えた私を、すぐに例の綱渡りが待ち構えていた。どうやって作ったのか本当に気になる。大方ヒーローの皆さんの個性なのだろうけれど。
私と同じようにたまたまロボットゾーンをくぐり抜けた子たちは、ヒーロー志望ではないためか潔くリタイアを申し出ていく。ヒーロー志望の子たちは恐らくゴール目前、いや、既にゴールしているかもしれない。身の安全を優先していたため気にしないようにしていたが、ようやくプレゼント・マイクの実況に耳を傾けてみる。

《ーーー元・先頭の2人、足の引っ張り合いを止め緑谷を追う!!》
「はやっ!もうゴールか〜。さすがだなあ。」

これこそ渡ろうとしたところで命を落とすだけだろう。ヒーローが助けてくれそうな気もするが、大衆の面前で恥を晒す必要もない。ひとまず私の体育祭は終わりだ。
ロボットや綱渡りを目の前にして改めて思うが、ヒーローって馬鹿みたいに身体能力高くなければいけないし度胸も考える力も必要だし、本当に大変な職業だなあ。みんなすごいわ。これからも積極的に応援していきたい。
プレゼント・マイクが告げた1位の彼の名前を聞きながら、私もリタイアを伝えるため右手をあげた。





それぞれゴール・リタイアし、元の場所へ1年全員が集合した。障害物競走の結果は私の知っていた展開通り出久君が一位となり、ホッと胸を撫で下ろす。順調にストーリーが進んでいて本当によかった。
自分のクラスのところへ向かう際、遠目で見えた勝己君の悔しそうな横顔に胸がギュッとなった。勝己君にはマジで申し訳ないが、お気持ちお察ししていると同時にいろんな表情を見れて本当に同級生の有り難みを噛みしめている。

次の競技は騎馬戦と発表され、桁違いの持ち点に冷や汗をかく出久君に心の中で健闘を祈りながらクラスメイトたちと観覧席へ向かう。ファイト〜!死ぬなよ〜!本当は次々とチームが組まれていく様子を間近で見守りたいところだが、出場しない生徒はいなくならないと始められない。そのため脱落組は撤退しなければならないが、なんだかんだ言いながら仲良くチームを組む勝己君をギリギリまで見ておきたいものだ。どこかなー、生徒多すぎて見えないな。背高い子もいっぱいいるからなー。しばらくキョロキョロしていたが、諦めて前を向くと高校の友達が「行くよー」と声をかけてくれたので慌てて後を追いかける。

「名前の友達、3位じゃん。すごいね。」
「さすがだよね!1位の出久君もね、同じ中学なんだよ!!うちの地元すごくない?!」
「えっそうなの?それはすごい。」

その後行われた騎馬戦は原作を知っていたのでわかってはいたつもりだが、怒涛の展開に心臓がついていかなかった。出久君にかかってく勝己君のヴィラン感たるや…悪い顔も大好き…。あっ、飛び出したところ瀬呂君にフォローされててかわいい。てか個性であんな飛び上がれるって本当身体能力高すぎる。出久君たちもあんな浮いて怖くないのかな。
ギャーーーー勝己君のハチマキとられた!!!B組の物間君だ…うわっ出た、とられたあとの勝己君の顔wwwww 思わず草生えた。全然冷静じゃない顔ですこぶる冷静だって言うんだよな確か。そういうところも大好き…。しかしいざ目の前で見ると物間君殺されないか心配になるな…?
冷静に状況判断して指示出す騎手役の轟君もさすがのイケメン具合だ…かっこいい…それに対抗する常闇君もすごいな…!!あっ心操君もさりげなくハチマキ奪った。個性使ったのかな。スマート〜〜!
1位は轟君チーム、2位は勝己君チーム、3位は出久君チーム、4位は心操君チームで無事騎馬戦が終わった。最後轟君たちと出久君たち、どっち行こうかキョロキョロ迷った末に地面に落っこちた勝己君ギャンカワ過ぎんか…どうすればそんなにかわいさも兼ね備えることができるのか…。

「名前の友達すごーい。また残った。」
「本当すごい…てか友達だなんておこがましいよ…。」
「おこがましいの?」
「うん…二人は本当にすごいんだよ、本当に。」

手に汗どころか身体中の毛穴から汗が滲み出た気がする。はぁ…リアル雄英強すぎ。ため息をついたら高校の友達が大丈夫?と心配してくれた。

「なんか超疲れてるね。」
「疲れてるというか…うん、幸せで。」
「なんで?とりあえず食堂行こう。」
「そうだね、午後のレクリエーションもがんばる!」

きっと食堂行っても誰かしらに会えるんだろうしな〜〜!!最高か!!





雄英の食堂は本当に広い。ものすごい人数がお昼休憩のため一気に押し寄せても、的確にさばかれていき誰一人午後に間に合わないということはない。多分。
今日はどうしようかな〜体育祭だしちょっとリッチなやつにしようかな〜。いや、午後始まってすぐにレクリエーションで動くし食べすぎないようにしよう。お腹痛くなっちゃう。
ご飯を受け取り高校の友達と席を探していると、聞き覚えのある声が聞こえた。そちらを向くと切島君たちA組男子がご飯を食べていて、わ、わーーーみんなが近くにいる!!不意に切島君が顔を上げて目が合った。

「おーお疲れ!」
「切島君も…!お疲れ様!すごかったよ!」
「ハハ、サンキュー。」

声をかけられた!!!!優しい…優しい切島君…。鼻の下を伸ばしてホイホイ切島君の方へ寄っていきそうになるのをぐっとこらえる。

「席探してんならここ座るか?」
「えっいいの?高校の友達、ここにする?」
「うん、ありがとー。」
「どーぞどーぞ!」

相席を提案してくれた切島君と初対面なのに当たり前のように受け入れてくれた上鳴君に、平静を装っているけれど脳内爆発した。まさかA組の子たちと一緒にご飯食べれるなんて…!本当はどもりそうになるのも悲鳴あげそうになるのも耐えている。私一人だったらちょっと無理だったかもしれない、ありがたみがすごすぎて耐えられない。
上鳴君と峰田君が紳士的に奥の方に2つ分ずれてくれた。一瞬迷ってから、先に私が席について峰田君の隣に座り、友達には通路側に座ってもらう。初めましての人ばかりなのでお互い名前を名乗り合った。苗字名前です、C組です。

「切島の友達?」
「俺っつーか緑谷と爆豪の友達だな!」
「私が二人と同じ中学で、この子は私の友達。」

いただきます、と手を合わせる。私の言葉を聞いた上鳴君と峰田君が「アイツ等…!」「女子の幼馴染は許せん…!」と目をかっ開いて横で呟いた。私の向かいに座る砂藤君が呆れ顔をしている。すごい、本当にこんな感じの性格なんだ。男子高校生を謳歌してるなー。ご期待に添えられるようなことは何もないが…。

「てことは、二人のこと応援しなきゃないよな!」
「…そうそう!応援しないとな!」

グリンッ!と峰田君が顔を覗き込んでくる。その向こうで上鳴君も同調する。勢いの良さに少し引いてしまった。

「う、うん。」
「ちょうどな!ちょうど!午後、オイラたちのクラスでチアやるんだよ!ただクラスの女子だけだと人数足りなくて迫力がないっつーか〜!」
「チア。」
「苗字ちゃんたちもよかったらやらねえ?衣装はあるから大丈夫!」
「そんなんやる予定あったか?」
「いいーーーーから!!切島は黙ってろ!!」

チアですぐにピンと来た。例の、A組女子への嘘情報のやつかな…?案の定切島君の頭にはハテナマークが浮かんでいるし、砂藤君は自信がなく言い出せないのか少し複雑そうな顔をしていて、その隣では瀬呂君が呆れた様子で笑っていた。いや君は絶対わかってるだろ。

「うーん、私踊れないけど、高校の友達がやりたいなら。」
「いやあたしも無理。」
「じゃあちょっと…。」
「なんでだよ!!緑谷も爆豪も喜ぶぞ?!」
「踊れなくてもいいんだよ!!ただチアの格好して立っててくれればそれで!!」
「私が何かしたところで二人が喜ぶわけではないので…。」
「幼馴染の女子にチアの格好で応援されて喜ばない奴は男じゃない!!」
「へー、幼馴染じゃないけど心操応援する?」
「いや、心操君こそ喜ばないでしょ。」

峰田君と上鳴君の必死感がすごかったが、とにかくクラスが違うのでとお断りした。私は予定通り彼女たちの撮影だけを行う。エヘエヘ。今から楽しみだ。

「コスプレ感覚で楽しそうだけど人前は恥ずかしいからさ。」
「オイラの前だけでもいいんだぜ…?」
「あはは。」
「あ、名前の友達君じゃん。ホラ。」

高校の友達の視線の先をみんなで見ると、空いている席を探しているらしい勝己君がいた。今までどこに、あ、轟君と出久君の話を聞いちゃうんだっけか。
おーい、と切島君が声をかけると、私の存在にも気付いた勝己君は眉間の皺をグワッと深くした。ウウ、切ない…。

「なんでテメーがここにいんだ。」
「席空けてもらって…食べ終わったから今ここ空けるね。」
「いや、あたしは食べ終わったけど名前まだプリン残ってるじゃん。あたし先行くから食べてから来なよ。」
「え、いや!」
「どうぞ。じゃあまたね。」

ここを立ったあとすぐ空いている席でササッと食べるつもりだったが、高校の友達が立ち上がると当たり前のように勝己君がドカリと座り込んだ。
待って、こんな…こんな、みんなに囲まれてプリン食べられるなんて…!!しかも最推しの隣…?!ご近所さんとしてではなくて、あの雄英高校で、最推しとお昼ご飯…!?
恐れ多さよりも欲望の方が強かったようで、お尻が重く椅子から離れなくなった。このおいしいシチュエーションを作ってくれた高校の友達にはあとで何かしなければならない。緊張で汗をかき始めた手でべり、とプリンの蓋を開ける。

「どこ行ってたんだよ爆豪。」
「どこだっていいだろ。」
「なあ、爆豪って昔からこんなんなの?」
「どういう意味だ!!」
「勝己君は昔から優しくていい子だよ。」

「カツキ君!!」
「優しい?」
「いい子??!」
「苗字お前…いじめられてんのか?」
「テメェ等殺すぞ…!!」

上から順番に瀬呂君、砂藤君、上鳴君、峰田君がギョッとした顔をしていた。瀬呂君に関しては名前呼びを笑っているだけのような気もする。そういう性格だったのか…おいしいな…。
まあまあ、と切島君が勝己君をなだめて口を開く。

「お前ら、こう見えて爆豪優しいんだぜ!こないだ俺らがヴィランと戦った日も苗字のこと心配して一緒に帰ったしよ。」
「いらんこと言うな!クソ髪。」
「チキショーーー!!女子の幼馴染がいるくらいで調子に乗るんじゃねーぞ!!」
「峰田君めっちゃ隠れてるじゃん。」

私の腕にしがみつき、顔を半分覗かせた状態で峰田君が勝己君に吠えた。腰の引け具合に勝己君へのビビりを感じる。「…いい匂い…。」 彼に構わずプリンを口に運んでも、腕でブラブラ揺れるだけで離れなかった。とりあえず臭くなくてよかったが、A組補正に元社会人の精神も加わって右腕の彼を振り解いていいものか少し迷う。同世代だったらキモいかもしれんがまだ子供だからな…。

「食った。行く。」
「あ、午後もがん、」
「行くぞ。」
「えっ?あ、ちょ、み、みんなまたね!午後も頑張ってね!」

勝己君が食べ終えて立ち上がると、自分と私のトレーを持ってスタスタと歩いて行ってしまった。い、いくぞって、私にでいいんだよね?親切で他人の食器下げるような子じゃないよね?いや意外と育ちはいいからな…わからん…。
峰田君の手を掴んで腕から離し、彼の膝に乗せる。

「えーと、峰田君、触られるのが苦手な女の子もいるから気をつけてね。じゃっ!」

ごちそうさまでした、と手を合わせて勝己君のあとを追う。足長い!足速い!



「…苗字、罪深いぜ。」
「峰田のセクハラをやんわりと…これが普通科とヒーロー科の違いか…?」
「なんで爆豪と仲良いんだ?性格違いすぎだろ。」
「家が向かいらしいぞ。」
「ガチのやつじゃん!」
「違いすぎるから仲良いのかもな。」





追いついて私の分のトレーをもらおうとしたが、もう返却口の目の前だったので大人しく一緒に返してもらった。ありがとうございます。空になったプリンの容器をゴミ箱に捨てて、勝己君のあとを追いかける。
どこに行くのかわからないけど観覧席と方向は同じなのでとりあえずついていく。勝己君は斜め後ろを歩く私をチラリと見て、再び前を向いた。

「午後出んのか。」
「レクリエーション?うん、大玉転がしとかあるよね。」
「一緒に転がりそうだな。」
「そんなに鈍臭いつもりはないんだけど…。」

見ててよ、と言おうとして口を閉じる。午後は個人戦だから、精神統一とかするんだろうな。

「オイ。」
「はい。」
「見てろよ。」

考えていたことと同じセリフが勝己君の口から飛び出して、少し驚きつつ、胸がギュンッとした。

「…あ?吐くのか?」
「まじ勝己君かわいくてかっこよすぎて吐きそう。」
「汚ねえ消えろ。」

無言で顰めっ面をしている私に容赦ない勝己君の一言が刺さる。だって、5歳の頃も、中3の時も、今も、“見てろ”って言ってるんだもん…。大きくなっても私に見ていてほしいの、めちゃくちゃかわいくないか…?

「見てていいんですか…?」
「見んなっつってもお前なら見るだろ。」
「…まあ。」
「ストーカー女。」

ハッ、と鼻で笑われる。声のボリュームは大きくないので、気は遣ってくれているのだろう。やっぱり優しい。
C組の観覧席に続く曲がり角に差し掛かった。恐らくクラスメイトたちも既にいるだろう。じゃあ、と離れようとしたら、振り返った勝己君がガッと右腕を掴んだ。

「ん、っ痛い痛い痛い痛い!!!なになに?!」

掴まれたと思ったら全力で擦られる。運動着と肌が擦れて痛い!!何?!
かと思えば急にパッと手を離したので、勝己君の力の強さにビビって後退りをした。

「え!何?!」
「簡単に触られてんじゃねーぞ。」
「…あ、はい。」

峰田君のやつか…。嫉妬…?ではないか。所有物に触られたから?いや私そもそも勝己君の所有物なの?そんな、いいんですか…?勝己君の物になれるものならなりたいのですが…。でも私は全部勝己君に差し出せるけど、正直勝己君側はいらないだろ…。まあ今も既に献上してるようなもんか…かっこいいとかいろいろ感情ぶつけてるし…。てか感情を本人にぶつけてるの、今更ながらめちゃくちゃ失礼じゃないか…?つい溢れちゃうんだよな…。迷惑かもしれないからもう少し抑えた方がいいのだろうか…。

悶々としたまま、雄英体育祭の午後の部が始まる。



 back 
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -