高尾くんはHSK


短い。10分クオリティ。
ギャグのくせにオチが迷子。





















ある休日。
緑間が高尾の家に遊びに来た時のこと。

普通、友人の家で遊ぶ、と言えば一緒にゲームをしたり、DVDをみたりすることを想像するだろう。しかし、2人にとって‘遊ぶ’と言うのは同じ空間でそれぞれの好きなことをすることだ。緑間はベットに腰かけて本を読んでいるし、高尾は緑間の上で寝転がって…ようは膝枕状態でピコピコと最近発売されたポータブルゲームをしている。


小一時間程そうしていたとき。


「高尾」


緑間が言葉を発した。

「なーに?真ちゃん」



「この本にお前の特技がバク転と書いてあるのだが…」


そう言って緑間が取り出したのは
黒子のバスケのファンブック。

中には登場人物の情報が詳しく書いてある。


「得意だよー?バク転!!」


にか、と笑って言う高尾に緑間は目を光らせる。


「…たのむ、バク転やって欲しいのだよ!!」

「いいよー! 真ちゃんの頼みなら聞いちゃうのだよー」

「真似をするな」


緑間が頼んでくることなんて、今までおは朝絡み以外なかった気がする。高尾は少し驚いたが、唯我独尊、我らがエース様のお願いを聞くのが高尾の役目と言っても過言ではない。仰せのままに緑間の頼みを聞くことにした。





***



さすがに家の中でバク転をするスペースは
ないので庭に移動する。
ここなら、地面は芝生になっているし危険も少ない。


「んじゃ、やるよー」


腕を回したり、屈伸をするなど軽く準備運動をした高尾は宣言ののち体操選手顔負けのバク転をした。


「おぉ…すごいのだよ!」




「…ぅげほげほっ…げほっ」


緑間が感嘆をあげているとバク転を終えた高尾が激しく咳き込んだ。


「高尾!?」


緑間は何事かと思い、駆け寄る。
そこで緑間の目に入ったものは――――…












「…血!?」


しゃがみ込んでいる高尾の顔をのぞくと、
口の端に少し赤がついている。
咳き込んだときに口を覆ったであろう手には
真っ赤な赤い液体がついていた。



「高尾!? 口から血が出ているのだよ!?大丈夫か?」


「…ぅ、真ちゃん…そ、れ…血じゃなくて…

















キムチの汁だわww」


「!?」

「いやー、キムチ食べながらバク転したらムセちゃってさー ……って、真ちゃん??いや、ちょ…」

「高尾ぉぉぉぉぉ!!」




【高尾和也】
特技 バク転
好物 キムチ



高尾くんはHSK。
H(ハイテンションな彼の)
S(好きな食べ物は)
K(キムチ)


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -