何故人間はえら呼吸でないのか

*決してヤっていない。













「…んぅ、ん、う、ハル…」



荒い息づかいと、甘い声。ちゅ、ちゅ、とお互いの唇を啄む音が部屋中に響き渡っている。鼓膜がその音を拾い、言い知れない程の快感を生む。


真琴とキスをするようになったのは、つい最近のことだった。軽いイタズラでしたつもりのキスが、あまりにも気持ちよくて。味わったことのない感覚に、俺も真琴も溺れていった。

軽く唇を合わせるのは一瞬で、主体はディープキス。キスなんて誰ともしたことがなく、知識なんて持ち合わせていなかったが、真琴と唇を合わせるうちに、コツなんかがわかってきた。真琴は未だに慣れないようで、今だって顔を真っ赤にして、必死に俺の服なんかを握っちゃって、俺のキスにされるままになっている。


「……は、」

「んっ、はぁ。……ハル」

「どうした、真琴」


長い長い口付けが終わり、離れがたいが真琴と唇を離す。真琴はようやく酸素が取り入れられたようで、ハフハフと魚みたいに口をパクパクさせていた。そんな姿まで可愛いなんて、俺は変態なんだろうか。…それもつかの間、真琴がキスの時のような甘い声で俺を呼んできた。



「…っ、ハル、もっと。」


まだ力が入らないのか、真琴の体格からは予想も出来ない弱い力で俺の手を握り、涙の膜で潤んだ瞳をこちらに向けながら言う。それに加え、相変わらず赤く染まった頬に、上目遣い。俺を誘うのには充分過ぎた。


「あぁ、もう…どうなっても、知らないからなっ」

「ハル、んんっ…ぅ、」



さっきよりも激しく、抱きしめる力を強くして、キスをする。雀の涙程しかない理性で、自分を必死に抑えながら。―…真琴が可愛いのがいけないんだ。そう都合のいいように解釈して、キスに集中する。



「っ、真琴…ふ、好きだ、真琴」

「ハルっ…っう、俺も、んん…好き、ハル。…ん、長…っん」


キスだけで必死なくせに、俺が好きだと言うとそれに答えてくる真琴。そんな姿を見るとすごくいとおしくなって、益々離したくなくなる。が、真琴はまだ息継ぎが出来ないらしい。苦しいのか、俺の背中をドンドンと叩いてくる。酸欠で気を失われても困るので、渋々息を吸わせてやる。


「……っげっほげほ!げほっ」


途端むせだす真琴。
なんて色気がないんだか。

「真琴…頼むからそろそろ息継ぎ覚えてくれ。まともにキス出来ないだろ。」

「息継ぎなんかする暇ないじゃん。…第一、ハルのキスが長すぎるんだよ!」

「…そんなことない、練習あるのみだな、真琴。」

「…それってキスする口実じゃあ。え、ちょ、言ってるそばから!?またするの!?待ってってば、ハルぅぅぅ!!」






何故人間はえら呼吸でないのか
(もう少し長く、キミとキスをしていたい。)






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キス初挑戦!!
しょっぱなから
ディープってみました((
勉強します。


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