雪の降る日は、
ガッツリ下ネタ。
ギャグ。
岩鳶町にも雪が降り出した。
寒さが厳しくなってきたが、水泳部は泳ぎ続ける。今日はスポーツセンターを借りて練習だ。
現在、更衣室で着替えながら
ミーティングをしているのだが…
「…腰が痛い。」
この遙の一言で空気が凍りついた。
‘腰が痛い’と言う訴えをどう受け取るかは人それぞれだがこのホモップルの巣窟、岩鳶高校水泳部ではつまりは、そういうことだった。
そして、さらに
追い打ちをかけるように
「ごめん!ハル、大丈夫!?」
と真琴が言った。
‘ごめん’というのはどういうことなのか。まあ、そういうことだろうが。詳しく説明すれば真琴が‘ごめん’と言ったのだから遙の腰痛の原因は真琴にある、ということだ。
これを脳内で若干0.1秒程で計算した渚と怜は顔を見合わせる。
いくら彼らもホモップルとは言えまだ1年生なのだ。少し刺激が強すぎたらしい。
「…痛い。」
「ほんとごめん。昨日激しかったもんね…」
真琴の一言に、またしても空気が凍りつく。
どうやら推理は正しいらしい。遙と真琴は、そういうことをしたのだ。しかも激しく。
「えっと、ハルちゃん大丈夫?」
「真琴先輩ダメじゃないですか!その、は、激しく…したなんて」
「れ、怜ちゃんっ!ストレートに言い過ぎっ」
不自然な2人の様子に真琴は首をかしげる。
「…渚?怜?」
「いくらお2人の仲がいいからって部活に響くほど…あの…、その…シてはいけませんよ!」
「ブハッ…怜ちゃん、ドストレート…」
「、っ2人とも!何か勘違いしてないか!?」
不自然な理由がわかった真琴は
たまらず叫んだ。
「…勘違い、ですか?」
渚と怜は再び顔を見合わせ、首をかしげる。
「うん!…2人とも、卑猥なこと考えてただろ!」
「違うんですか!?」
「違うよ!」
予想は外れた。遙と真琴はそういうことをした訳ではないらしい。…それなら何故遙は腰を痛がっているのか。
「今日ね、家出たときハル滑ってしりもちついちゃって。昨日雪降ってたでしょ?激しく。それで転んでからずっと腰痛いみたいで…。俺がもっと注意しておけばよかったんだけど。」
真琴の説明通り、昨日岩鳶町は
大雪にみまわれた。夜中に少し積もったのだが、朝方気温が上がって雪がとけたらしい。それで遙は滑って転んだのだ。
それを聞いた渚と怜は顔を赤らめて平謝りした。
「すすすすすすいません!」
「ごめんなさいっ!まこちゃん、ハルちゃん!」
「あはは、いいよ。」
真琴はいつものように笑って許す。それに続いて遙が口を開いた。
「2人とも、そんなに謝らなくていい。2人の考えもあながち間違えてないからな」
「ちょ、ハル! それ言わない約束だったじゃんっ!!」
更衣室が静まり返ったのは言うまでもない。