シロガラス | ナノ

劇団子守唄ララバイ12月公演
舞台 「シロガラス」 DVD & Blu-ray

あの子守唄ララバイの「シロガラス」がDVD&Blu-rayになって帰ってきた!


2016年4月7日(木)発売

回版特典
・映像特典 : 出演者インタビュー映像


KMRR-0407


DVD : \5345
Blu-ray : \6548



スケジュール
2015年12月18日(金)〜20日(日)
昼の部 開場12:30〜 開演13時〜
夜の部 開場18:30〜 開演19時〜
※18日は夜の部のみ



東京ドームタウン

らすじ
少年の手にひとつの器が乗せられた。
青い炎は赤いそれよりも熱く、陶器に魂と熱を込める。
静かに燃える青い光に身を投げ生涯を陶器に捧げる男がいた。追い求めたのは古い記憶の中の器。
かつての少年は事実を知り絶望する、その先に見たものは。


台監督
皐月原郁子(さつきはらいくこ)

ャスト
雪司:ヒビキ
雪司幼少期:鈴木富
雪司母:もたいまさえ
親友夏木:米山詩音 (団長)






録内容
ー雪司の幼少期ー
母との食事
2人きりの食事はとても静かで、暫く食器の音だけが響く。
雪司「あ」
母「ん?」
雪司「...割れちゃった」
母「あー...ヒビ入っちゃったねぇ、ちょっとお待ちね」
台所から戻った母から渡された茶碗。幼い掌に乗せられた明らかに大きな藍色の器、それは少年の目には海のようにも宇宙のようにも感じられた。それから食事の際はどこか気分が上がり、たまに食器棚から取り出しては光に当てたり撫でてみたりと、一つの器に魅せられていた。

やがて少年は青年になり、自然と陶芸の道へと進んでいく。

ー親友夏木との関係ー
腐れ縁の夏木は頼りのない雪司のせいなのかとても世話焼きで雪司の家に入り浸っては身の回りの世話をしてしまう。ときには叱り付けることもあるが、なんだかんだと陶芸に向き合う雪司を応援している。

ー雪司の迷走ー
様々な賞に出品するもなかなか入選せず苛立ちが増してゆく。そんな中唯一入選した作品、それは「器」とは呼び難い姿だった。それから美しさばかりを求め物珍しい形や色合い、雪司の作品は奇抜なものへと変わっていく。どこか追い詰められた様に、ひたすらに作品をただ作っていく雪司の背中を夏木は呆れたように、哀れむようにただ見つめる。

ー母の死ー
作品作りに没頭する日々の中、扉を蹴破り入ってきた夏木が知らせたのは、母の不幸。呆気に取られる雪司に見かねたのか、夏木は雪司を引きずるようにして母の元へ連れてゆく。そこには記憶にもなかった父が立っていた。父と話すうち、例の藍色の器の事実を知る。あんなにも自分を魅了した器は、機械の手で作られた数百円ぽっちの安物だった。
自分が目指したものとは何だったのか、自身を満たしていた何かが流れ出てゆく感覚に、雪司は絶望し塞ぎこんでしまう。

母の葬儀のあと、アトリエに戻るとすぐにすべての陶器を叩き割った。視界に入る藍色の器。その前にへたりこみ、ひれ伏すように項垂れ泣きわめく。やがて疲れて眠り、起きては泣き、どれくらい時間が経ったか、器を手に取ると幼い頃にしたように持ち上げ眺める。
雪司「...あ」
小さく声を上げた雪司は飛び跳ねるように起き上がり、携帯を手に取ると電話をかける。

雪司「夏木、米買ってきてくれ」

母の遺影の前に座る雪司。前には白米を盛った藍色の器。

ゆっくりと手に取ると、母を見つめたまま、静かに米を口に運んだ。