サブウェイ | ナノ





「サブウェイマスターさんいますかー」

「おや本日は如何なさったのですか?」

「チョコくれるの?」


おおう、クダリさん直球ですね…。


「はい、宜しければどうぞ」


青色の包装紙でラッピングした箱を二人に渡すと、クダリさんは漫画であればぱあっと花が周りに飛んでいそうなくらい嬉しそうな表情。一方ノボリさんはきょとんとしながらも若干嬉しそうでした。


「わたくし達にですか…ありがとうございます」

「わあい、本当にチョコだ!ありがとう!」

「いえ、いつもお二人にはお世話になっていますから」


ノボリさんとクダリさんに素直に喜んでもらえるとこちらまで嬉しくなります。


「それでは、」「うん」


お二人は何やら顔を見合わせて頷きあうと私の肩に手を置きました。
何がしたいのか全くわからない私。


「それでは失礼して」

「ぼく達からのお返し」


それから両頬に柔らかい物が押し当てられリップ音。
そして私の脳内はショート。


「え、ちょっ、ななんあ!?」


反射的に後ろへ下がって二人と距離をとる。


「ななな何すんですか!」


今私は生きてきた中で一番顔が赤いことでしょう。


「何って、ねえ」

「それはまあ、キスですよね」


にやにやと笑うサブウェイマスター。
お客さん怖がらせる駅員さんって…これでいいんですかバトルサブウェイ!


「安心して下さいまし」

「ちゃんとホワイトデーにお返しするからねっ」


そう言って笑うお二人は憎たらしいくらい良い笑顔でした。



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