私は目覚めると見覚えのある部屋にいた。そしてすぐに主の波導がとても不安定なことを感じ取った私は叫んだ。 “主!!!” すぐに駆けつけたい。その思いが私を動かした。 きっと私がここに閉じ込められているということは近くにジュゴンもいるだろう。今度はジュゴンに波導を集中させる。けれど途中で主の波導が強すぎて集中が途切れてしまいなかなかうまくいかない。 しかしここで焦ったら駄目だと目を閉じて精神統一。そのあとにもう一度集中してみると今度はジュゴンの波導をはっきりと捉えることが出来た。 ジュゴンはボールに入れられた状態で自分で出てこられないようにと頑丈な鎖のような物を巻かれている。それをシャドークローで壊そうとしてみるもののなかなか壊れない。シャドークローと波導弾を何十回も繰り返し打っているとやっとのことで壊れ、ジュゴンは解放されたた。が、ボールまで壊れてしまいどうしたものかと頭を抱えそうになる私を尻目に、ジュゴンは尻尾を床にビタンと打ちつけ主を助けに行こうと言ったので賛同した。 なのに。 ああ何でこうも主までの道のりは長いのだろうか。 扉を開けると知らない奴らが凶悪そうなポケモンを従えて待機していた。 “これは倒していくしかなさそうですね” “面倒だけどね” ここまでたどり着くまでどのくらい時間が掛かったかわからない。 主の波導を辿ってやってくれば、昔ここにいたときの主と私達の部屋だった。 部屋の中を見れば主に付き纏っていた元上司とドリュウズ。泣き崩れるミンク様と意識の無い現上司のノボリ様。ぼろぼろになりながら戦っているオノノクスとゲンガー。 そして私はその状況を目の当たりにしてストッパーが外れた。 ちゅうしん ← |