私は本当に情けない。 宣言したそばからノボリさんは怪我をした。きっと打撲と骨に罅が入っている。 私なんか庇ったから怪我をしたんだ。 情けない。 以前じゃあ考えられない失態。後ろを取られるなんて恥だ。 私の責任だ。私の、責任。 今はノボリさんのオノノクスがゲンガーと戦っている。 ノボリさんは今は意識を失っているみたいで項垂れている。 なのに私は何をしているんだ。 恐い。動けない。手が震える。 「無力だな」 そんなのあんたに言われなくてもわかってる。 「弱くなったんじゃないのか」 それも知ってる。 「そこの彼がこうなったのはお前に関わったからだ」 目の奥が熱くなる。じりじりと。 視界もじわりと滲む。 ドリュウズもあいつも、オノノクスも、ノボリさんも。 「くっそおおおおおおおおおおお!!!!!」 もう限界だった。 膝をついてコンクリの床を思いっきり殴った。 何回も、何回も、何回も。 思いっきり殴っていたので血が滲む。 涙もぼろぼろと零れコンクリの床を濡らした。 逃げられない。 私が幸せになることは許されないんだ。 そう思った瞬間気付いた。 ああ、そうか。 私幸せって思ってたんだ。ギアステーションでナースとして働けるが。ノボリさんと一緒にいることが出来るのを。 こうふく ← |