ブラックシティのとある風俗店。そしてその地下。そこはかつてマフィアの本拠地であった。とは言っても小勢力で今は解散したらしい。昔わたくしも新聞の記事で見たことがありましたが、確か理由は抗争だったはず。
がらんどうなそこは本当に人がいるのかと不思議に思うほどだ。

だがミンク様がいるとしたら、ここだ。

ここまで飛行タイプのポケモンに手伝ってもらって飛んできましたが、走りすぎた足は悲鳴を上げている。
けれどここでのんびり歩いているわけにはいかない。
疲労しきった身体に鞭を打ちまた走り出す。


するとある一室から音がした。
それはもう大きな音が。


「ミンク!!!」


扉を勢いよく開いてみればそこには黒い服を身に纏った男性とドリュウズ。
そして傷だらけのミンク様の姿。


「ノボリさん……?」


唖然とした様子のミンク様。


「王子様の登場か」

「犯人は貴男様でございますね」


くつくつと笑う男性はご名答とばかりに腰に手を当てて話し始める。


「そうだ、君の女王様を連れてきたのはこの俺だ。そしてまたミンクは俺の下で働く」

「そのようなことは決してさせません」

「若いな。……この俺が誰だかわかっていっているのかね?」

「この廃れたアジトの元ボスでしょう、知っていますよ。それにしても何故そこまでミンク様に拘るのですか」

「ミンクは素晴らしい人材だ。そんなことも知らないのか」


ボスはうっとりとしたように胸に手を当て、目を伏せた。
そしてゆっくりと目を開けて言い放った。


「ミンク様のことを何も知らないのだな、哀れな男だ。消せ」

「ノボリさん!!!」










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