※R18







わたくしが泣いているのに気付いたミンク様は喉元を舐め上げていた舌を止めて、柔らかい唇で涙を拭いました。
その光景をぼうっと眺めていたわたくしを見てクツリと喉を鳴らして笑ってから、ゆっくりとした動作で自分のそれとわたくしのそれを重ねた。
段々激しさを増す口付け。
どちらのかわからない唾液はわたくしの顎を伝い落ち、床を汚す。


「んぅ、はぁ…っ」


わたくしが声を漏らすとミンク様は愉快そうに口角を上げ、歯茎や口蓋を舐めて下さる。それが嬉しくてわたくしも声を抑えようとせず、本能のままに出した。

それからミンク様はキスを止めることなくわたくしを床に押し倒し覆い被さりました。


「ノボリさん、当たってますよ」


そう仰りながらミンク様は太腿をわたくしの股間に添わせぐりぐりと動かした。

「ミンク、さまっ」

「なんですか?」

「んぅ…や、めて、下さい…まし」

「“やめて”じゃなくて“イイ”の間違いでしょうノボリさん」


ぐりぐりぐりぐり。
刺激されて完全に勃起したわたくしのモノは先走りを流して下着の中を汚しております。嗚呼、なんとはしたないのでしょうか。


「こんなに勃たせて」


ミンク様の冷たい視線が突き刺さり、それさえも興奮と快感に変わる。


「淫乱なノボリさんはこれだけでイケちゃうんじゃないんですか?」


わたくしの視界には、ははっと乾いた嗤いを零すミンク様と白い天井。

自分は幸せだ。……幸せなはず、なのです。しかしどうしたというのでしょうか。わたくしが今感じているのは幸福ではなく虚無。虚しさがわたくしをじわじわと蝕んでいくのです。


「…あっ、ふ…」


その気持ちとは裏腹に喘ぎ声を漏らす口。勃起する自身。
なんだか体と心が別物のようで可笑しかった。
嘲笑を僅かに漏らしましたが、すぐに自分の喘ぎ声に掻き消されミンク様に届くことはありませんでした。








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