ミンク様がリビングから姿を消し、手持ち無沙汰になってしまったわたくしは時計を見てクダリに連絡を入れるか迷う。ライブキャスターでは人の家だということがバレてしまいます。わたくしとしてはバレてしまっても一向に構わないのですが、ミンク様がどう思うかわかりませんのでCギアからにしておきましょうか。

鞄を引き寄せ中から使用頻度が比較的少ないCギアを取り出し今日は帰れない旨をメールに打ちこむことに致しました。

カチカチという音が空間に響く。

Cギアの画面で文面をチェックしているとミンク様のルカリオがじっとわたくしを見ていました。


「ルカリオ?」


わたくしが名を呼べば敵意剥き出しで睨み付けられてしまいました。
一体どうしたというのでしょうか。

再びCギアの画面に視線を落とし先程作ったメールを送信する。
ルカリオから視線が突き刺さるのを感じつつもなるべく気にしないようにと意識を別のことに向ける為、今日の仕事について思い返してみることにした。

今日は出勤して割り方直ぐにマルチトレインに呼び出しがかかりましたので、そのままクダリと一緒にそちらに向かいました。その後ミンク様をいつもの様に遠目から眺めながらシングルトレインへ向かいバトルし、今度はスーパーシングルへその足で赴きバトル。午前中はいつもと比べても大分忙しくクダリも仕事をサボろうとする暇さえ無かったのか、職員からのSOSはありませんでした。

それからお昼休憩を挟み、午後もバトル三昧。しかし挑戦者の方々には申し訳ありませんが、わたくしからしてみればどれもこれも面白くも何ともないバトルでした。
この程度の実力で何故わたくしの所まで辿り着けるのか、甚だ疑問である。

そして4時ぐらいだったでしょうか、本日初めてのミンク様との会話でございます。
嗚呼。わたくしはミンク様を見ているだけでも胸が高鳴るといいますのに、話しをするだなんてわたくしの心臓を握り潰して下さるおつもりなのでしょうか。
ミンク様でしたら握り潰して下さっても構いません、寧ろわたくしは嬉しく思うのです。

思わず熱の籠もった吐息が漏れ、先程ミンク様が腰掛けていたソファーに目が惹きつけられる。

流石にもうミンク様の温もりが逃げてしまったでしょうが、匂いはきっと残っているに違いありません。ミンク様はきっと毎日このソファーに腰掛けているのですから。
顔を埋めてたっぷりと香りを堪能したい。

しかしミンク様には変なことをするなと釘を刺されております。変なこと、とはこのような事だということは容易に想像できますが、もし命令を破ったらどうなるのかという下劣な想像も脳内に駆け巡るのです。お仕置きされるのでしょうか。

生唾をごくりと嚥下する。

ミンク様はわたくしにどんなお仕置きをして下さるのでしょう。どんどん膨らむ空想、妄想。わたくしに理性という糸が切れていればとっくにソファーに顔を埋め香りを楽しむと共にお仕置きを期待し、息を荒くしていた事でしょう。しかしわたくしの理性をしっかりと繋ぎ止めているのは同じ部屋にいるポケモン達の存在。流石に、ポケモン達の前で事をするのには憚られる。
今度は思わず重い溜め息が漏れた。








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