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12/19〜



 
電飾で彩られた木々や街並みをぼーっと眺めていたら、頬に冷たいものが落ちてきた。
空を見上げれば雪がちらつき始めていて、通りでいつもより寒いわけだと一人で納得。

吐き出された白い吐息は夜空に溶けて消えていく。


「お待たせ致しました」

「お仕事お疲れ様です」


ノボリさんが息を切らして駆け寄ってくる姿はなかなかレアではないだろうか。


「寒空の下あなた様をひとり待たせてしまい、申し訳ございません」

「大丈夫です、私寒さには強いんです」

しかし、と言葉を続けようとしたノボリさんの手を握ると、僅かに目を大きくして言葉を引っ込めた。

「それでも気にすると言うのならば…こうしていてもいいですか?」

普段の自分では考えられないようなこの恥ずかしい行動と発言で思わず顔が熱くなるのを感じた。

嗚呼ノボリさん。
この事はホワイトクリスマスで浮かれている女の戯れ言だと次の日にはどうか忘れて下さい。

悶々とし出した私に対して、ノボリさんは指を絡めて私の耳元で囁いた。

「メリークリスマス」