short | ナノ
 

外に出れば冷たい風が襲ってくるので極力外には出たくない。
それに今日はクリスマス。世間には沢山のリア充が蔓延っている。出たくない。
今日も一日家の中でテレビ見て、パソコン弄って、ポケモン達のブラッシングして。

いつもと変わらない日を送る。

私としては別にそれでも構わない。


「只今帰りました」

「ただいまー」

「おかえりお兄ちゃん」


仕事から帰ってきたお兄ちゃん達を向かえる私はニートな妹。
別に好きでニートやってるわけでもないし、嫌々ニートなわけでもない。
ただお兄ちゃん達が私が働くことを嫌がるのだ。「わたくし達が養ってあげますので」「働かないでぼく達を家で待っててくれればいいから」。その言葉に特に不満があるわけでもない私は甘んじてこの状況を受け入れている。


「今日はクリスマスですので、ケーキを買ってきました」

「デザートの時に食べようね」


私が頷くと満足そうにする兄二人。
そしてそのままぎゅうっと抱きしめてくる。


「今日もちゃんと家にいた?」

「うん」

「そう、よかった」


クダリお兄ちゃんが私の頭を、えらいねと撫でる。


「ノボリお兄ちゃん」

「何でしょうか?」

「……来年も3人でこうして過ごしたいな」

「当たり前です。来年だけでなく、これからもずっと、永遠に3人一緒に過ごすのございます」


そこまで言ってないんだけどなー。
心の中でなんとも言えない気持ちが広がったけれど、これがノボリお兄ちゃんとクダリお兄ちゃんの通常運行なので何も言わない。私もこんなやり取りには慣れているから。

それにノボリお兄ちゃんは口にしたことを必ず実行する人間だ。

だからこんな日々はこれからも毎日続くのだろう。