野生のパチリスと私のコリンクが追いかけっこをしているのを、私とデンジが並んで柔らかな芝生の上に座って眺める。デンジのレントラーもデンジの横に伏せって目を閉じた。 「今度オーバが三人で飲みに行こうって」 「でもオーバはすぐ酔い潰れちゃうからなー」 「もしまた潰れたら悪戯してやろうぜ」 悪戯っぽく、無邪気に笑うデンジ。太陽の下に晒された髪はまるで新鮮なレモンのようにキラキラと輝いていた。 「瞼の上に目書いちゃおうか」 「いいな、それ」 そうして二人で一頻り笑った。 それからふと視線が絡み合ってどちらかというわけでもなく、ごく自然にキス。 「ねえ、デンジ」 「なんだ」 「いつかもこうしたことあったよね」 私とデンジが付き合うことになったときもこうだった。 もともと私とデンジとオーバは幼馴染みで遊ぶときはいつも一緒だった。 付き合うことになった切っ掛けになったのはオーバが四天王に就任したこと。デンジはもうその頃ジムリーダーをやってたんだけど、ジムリーダーと違って四天王はチャンピオンリーグが遠くにあることから、あまり頻繁に会えなくなるから寂しいっ話してて…………。 「何考えてんだよ」 「へっ?」 「今考え事してただろ」 「な、なんでわかったの?!」 「お前の癖」 そういうとデンジは私の目元に指をのせた。 「なんか考えてる時のお前視線、5秒以上人から逸れるからすぐわかる」 そしてにやりと意地悪く笑ってみせる。 その表情は今も昔も変わらなくて。 「もうオーバ居なくなっちゃうんだね」 「そうだな」 「寂しくなるね」 「ああ……でも、」 「なに?」 「別に俺がいるんだからいいだろ」 「そ、それはそうだけどさ…」 「俺はお前がいれば、それでいい」 「ねえデンジ」 「あ?」 「私のこと好き?」 「いきなりなんだよ」 「いいから答えてよ」 そういうと私から顔を背けるようにそっぽを向いてから小さく呟き、 「愛してる」 そっと私の手の上に自分の手を重ねた。 ← |