※学パロ。ヒロイン:保健医、ダイゴ:地学教諭 「だ、ダイゴ先生……何してらっしゃるんですか?」 窓の外に目をやれば校庭でダイゴ先生が蹲っているのが見えたので、具合が悪いのかと大慌てで保健室を飛び出して駆け付けてみれば、とても元気そうで地面を熱心に見詰めている様子。 「ああ、石ですよ」 「石?」 「今日は11月14日。いい石の日、でしょう」 得意気に話すダイゴ先生に呆れるように肩を竦めた。 ダイゴ先生の石好きは今に始まったことではないけれど、こんな校庭で蹲られたら寿命が縮む。 「そうですか。それでいい石は見付かったんですか」 「ええそれはもう」 私からしたらそこら辺の石を拾うだけで、幸せそうな顔を見せられるダイゴ先生は羨ましい。本当に幸せの欠片が其処らじゅうに転がっているのだから。 「さあ、今日は冷えるので校舎に入りましょう。次の時間は授業なんじゃないんですか?」 この季節に相応しい冷たい風が私の体温を奪っていって堪らない。 「えー」 「いい年の大人が駄々を捏ねないで下さい」 「じゃあ戻ったらダージリンティー淹れてくださいね」 「……仕方ないですね」 「その後保健室のベッドで寝てもいいですか?」 「却下です」 広い校庭を話ながら歩るいていると、校舎の2階からユウキくんがこちらに手を振っているのが見えた。 「あ、ユウキくん」 「本当だ」 「授業中なのにあんなことしてていいのかな」 「誰先生の授業なんだろうね」 怒られそうだと笑っていると、案の定オダマキ先生がユウキくんに注意しているのがちらりと見えて、ダイゴ先生と顔を見合わせて更に笑った。 「ああそういえば」 「なんですか?」 手を出してくださいと言われたので、寒さに悴んだ手をダイゴ先生の前に差し出すと、ダイゴ先生はポケットに入れていた手を引き抜いて私の手を包み込んだ。 「ダイゴ先生…?」 「今日はいい石の日ですから、プレゼントです」 そう言い終わると手を離し、保健室に走っていったので、何事だと呆けていたけれど自分の手を見て笑みがこぼれた。 (シルバーのリングのトップには煌めくのはロードナイト) (宝石言葉は優しさ・繊細・愛情) ← |