ほろり、ほろり。 横たわる私の涙は目尻から頬を伝って枕を濡らした。 私のお腹のうえには大好きなパートナー逹。 そばに寄り添ってくれる優しいルカリオ。 そしてそっと手を握ってくれる、 愛しのゲン。 「ああ、ゲン」 でも。 「泣いているの?」 その手は少し震えていた。 「どうだろうね、」 いつもの調子で言ってはいるけれど涙声なのは隠しきれていない。 「そういう君だって泣いているのんじゃないのかい? 」 「そうね」 ひとのことを言えないわよね。 笑ったつもりだったのだけれど、うまく笑えなかったみたいでルカリオが悲しげに鳴いた。 「ゲン、」 いつもならしっかり握り返せるのにもう力が入らない。でもね、これだけは私は伝えたいのよ。 ねえ、 「私貴方に出逢えて良かったわ」 「本当に、良かった」 貴方は私にいろんなことをくれた。感謝してもしきれないくらいに私は感謝しているのよ。いくら波導使いの貴方でもこの気持ちを共有することはできないと思う。でもね、貴方と過ごした日々は私にとってかけがえのない宝物なの。 「愛しているわ」 さようなら、ゲン。 私の愛したひと。 「私も愛しているよ、 」 ← |