アップテンポな速さで | ナノ


春の陽射し


(レッド視点)


窓際の席はうたた寝に適してる。
程よい暖かさと心地良い風を提供してくれるからだ。

「あ、セイ先輩」

今日もまた眠ってしまおうと腕を枕代わりにして目を伏せていると、前の席のグリーンの呟きを拾ってしまった。
気になり外に目を向ければセイ先輩のクラスはサッカーらしく、一つのボールを追い掛けていた。セイ先輩はフォワードみたいで前線に出てボールを蹴って華麗に相手チームを交わしいき見る見るうちにゴールポストへ近付いてく。

クラスの女子も気が付いたみたいで、セイ先輩のファンが必死に窓の外を見ようとし始める。

先生も授業中だから静かにしろと俺達生徒を諫めるけど、勿論効果なし。
僅かながら先生を可哀想に思いつつも、俺もセイ先輩の姿を眺め続けた。


あっ、先輩シュート決めた。

その瞬間を見た女子達はいよいよ気持ちが高ぶってキャーキャーと黄色い声を上げている。うるさい。

しかし女子達はセイ先輩のシュートが見れて満足したのか、耳に付く高いトーンで興奮気味に会話ながら席に腰を再び落ち着けた。

でも俺はまだセイ先輩から視線を外さずにいると先輩がこっちに気付いてくれたみたいで手を振ってくれた。

先輩、かっこいいな。

俺も先輩にひらひら手を振り返すと、先輩はその場でジャンプしてまた大きく手を振った。けどすぐに同級生の人に引っ張られていきサッカーに参加させられてるのが、なんだかそれが先輩らしくて俺は目を細めた。









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