(クダリ視点)今日はLHRを潰してクラスで修学旅行のしおりの読み合わせ。
みんな机の上にブルーの表紙のしおりを乗っけてるけどちゃんと読んでる人もいれば、そうでない人もいる。
ノボリはいつもと一緒でぴんとした背筋で目を通してるみたいだった。
ノボリがちゃんと読んでるならぼくは読む必要ないよね!
それにもうグループのメンバーわかってるから、ぼくが興味あることはあんまりないし。
壁に掛けてある時計で今の時間を確認しようとしたら視界にセイが入った。
……あっ、セイ寝てるー。今日朝練だったのかな?
それにしてもセイ睫毛なっがーい!
色白だし、肌すべすべだし女の子みたい。
でも前にこれ言ったらすっごく怒られたんだっけ。あのときのセイは怖かった。人って怒りであんなに豹変するんだね、ぼく泣いちゃった。
……思い出したら怖くなってきちゃった。
ぼくは脳裏に過ぎる苦い思い出を端っこに追いやるように別の事で頭を埋めようとするけど、特に考えることもないから手元のしおりをパラパラと捲った。
そしてあるページの一部分を見てぼくは愕然とした。
なんでこんなに起床時間早いの?普段よりも早いじゃん。
ムリムリ!ぼくこんな早くに起きられない!
だって、ご、5:30って何!?
おかしくない?流石に早すぎでしょ!そんなに早く起きて何すんの。朝練ある日よりも早く起きるって…。
肩をがっくり落として落ち込むぼく。
セイとノボリと一緒の班だって浮かれてたぼくへの天罰なのかな…。
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