小学四年生の頃に、黒板に手が届かなかった私を助けてくれた子も
五年生のときに男子にいじめられてた私を助けてくれた子も、

かっこいいなとは思ったけれど

みんなの言うような「恋」ではなかったと思う。

「あのひとかっこいいよね」
「私、好きなひとができたの」

友達はみんな、いつでも恋をしていて
その人と話しているときはとっても可愛い顔をする。

私はそんな気持ちになったことなくて

私は変なのかな
なんて考えたこともあった


小学六年生にあがって隣の席になったひと

「おはよ!」

笑顔がよく似合う、いかにも人気者ってかんじの男の子。

「お、おはよう」

私にはそれは眩しすぎて
ちゃんと挨拶すら返せない

それでも、

「お前教科書わすれたの?見せてやるよ」

「あ、ありがとう」

机を寄せただけで
心臓は煩く鳴き始める

この音が彼に聞こえないか、なんて
気になって先生の話もシャットアウト。

鉛筆を持つ手がふるえる


ねえ、神様
これが、恋ですか?

わからない

でも、今はわからなくて、いいかな


いつか、この気持ちの正体がわかって
そのとき私の隣には

幸せそうな顔をした誰かが歩いていることを願って。

(この音が、きこえていませんように)



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