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私は、昔好きな人がいました。

でも、それは勘違いでした。ただの憧れだったのです。

私は、結構前に好きな人がいました。

でも、それは呆気なく終わりました。恋なんていらないと思ったのもその日です。


私は恋が嫌いでした。




「ほら、鵯太(ヒヨタ)、行こう!」

授業終わりのチャイムが鳴った、次の授業の準備をしようと立ち上がった瞬間親友の美咲(ミサキ)ちゃんに腕をひっぱられた

ミサキちゃんはとっても力が強くて男っぽい性格してる
のに、女子力が高くて羨ましい。


「え、でも次移動教室じゃないよ?」

私が首を傾げると、ミサキちゃんは呆れたように笑い頭を撫でてきた

「はいはい、マイペースちゃんね。次は授業変更で数学から音楽になったでしょ?」
「………そうなの、知らなかった。
ミサキちゃんいつも先生の話聞いてないのに珍しいね?」

私が笑うと、撫でてた手を急に高くあげ

――ぺしん!

思い切り叩いてきた。

………痛いなあ。
最近よく頭を叩かれるから、慣れてきちゃったけど、でもやっぱりちょっと痛いかも・・・

「早く行かないと遅刻なんぞ?」

笑って彼女は教科書をもってくれた
ちょっときゅんとしたかも。

…………でも、あの子は女の子。私も女の子。

恋なんてしちゃいけないよ。わかってる。
胸をときめかせちゃいけないよ。

イケメン男子系女子…苦手かも



「ミサキちゃーん、帰ろう。」

私はミサキちゃんのジャージを軽くひっぱった
振り向いて、笑うと”浅(アサ)が、今日日直だからちょっと待ってような”とだけ言われた

アサちゃん、私とミサキちゃんと一緒に帰ってる女の子。
ミサキちゃんの仲がよくって最近少し胸が痛くなる。

「・・・・・・うん、アサちゃん待ってよう。」

アサちゃんは、ミサキちゃんとお勉強会をしたり一緒にお出かけしたりしてたらしい。

私もミサキちゃんとお出かけしたいよう
・・・やだなあ、なんか私嫉妬してるみたい。

やっぱりミサキちゃんのこと好きなのかな

・目をあわせられない

・見てるとドキドキしてしまう

・他の人と話しているのを見ていると苛々する

恋する乙女っていうものはこういうものらしい。
昔の親友が言っていた気がする


「あの、ミサキちゃん…!」

ぎゅっとジャージをひっぱった

「……どうしたの?ヒヨタ?」

「なんでもない。」

駄目だ、こんなこといえない。
好きだよなんていえない

だって私もミサキちゃんも女の子だもん。
女の子同士の好きなんて軽蔑されるだけだよ…

「ヒヨタ。好きだよ?」

急に私の頭を撫でて笑った

「ミサキちゃん。」

「大好き、ヒヨタ。」

まあ、友達としての話だけどね。
彼女の言葉に胸に針が刺さったみたいだった




「・・・・私は、ミサキちゃんのこと嫌いだよ。」

恋愛感情としてね、

笑うと、ミサキちゃんは急にしゃがみこみ悲しそうに笑った





それは、気のせいだったのかもしれない。

いや、気のせいだと信じなくちゃならない。

なぜなら私は彼女を恋愛対象として見てはならないからだ。


ずーっと前から、嫌いで、好きだった。


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