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心雑  


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※旦那が生身です。なんかくっついてんのかくっついてないのかよく分かりません。生身旦那が許せないかたはbackで

※情事文(未熟ですが)なので一応下げてます。









































『何を考えている』



後頭部辺りから落ち着いた声色が鼓膜を揺らし遥かに飛ばしていた意識を戻すと下半身に鈍痛と圧迫感と濡れた感触が脳内を支配した。
室内の温度はそう高くないはずなのに身体はひどく暑く露出した肌はじっとりと汗をかいている。



『――――…別に、なにも……ん…』



四つん這いの体勢で身体の熱を逃がそうと息をつくと、首筋に微かな痛みを感じ肩を少し上げた。
ちゅ、とリップ音がしたと思うと今まで静かだった下半身に動きが生じ身体を支える腕や足の力が抜けそうな感覚に陥る。



『他の事を考えるとはいいご身分だな』


『ん…あ、あぁ…ちが…だん、な』



ズル、ズル、と出入りするその感触に慣れない身体は微かに震える。
その内動きは激しさを増し耳につくようないやらしい水に似た音がしはじめ頬が熱くなった。
動きに合わせて自然と声は出てしまい目を強く瞑り激しさを増す律動に耐える。
自分の物とは思えない声色に驚くがその考えさえも律動にかき消され何とも言えない感覚と熱が下半身を貫く。
その内頭はぼう、とし思考回路はぐちゃぐちゃになった。と、突如、その律動が更に激しさを増した。



『い、あ、あ、』



拳を作り、力を込める。
水の音は先程よりも更に大きくなり圧迫感も激しさも増し、肌と肌のぶつかりあう音も聞こえた。
生理的に流れ落ちる涙を拭うこともなく、デイダラはただただ律動に耐える。
この行為を始めたのはまだ片手で数えられる程の回数だから慣れない感覚なのは当たり前で任務を終えたよりも疲労感を感じる。
しかしその疲労感はデイダラに一時の満足感を感じさせていた。
だからこそ、こうして気紛れにサソリに求められれば身体を差し出してしまうのだ。



『――――…デイダラ』


腰を掴みサソリは自分の方にしっかりと引き寄せ離しまた突く。
少し古いベッドのスプリングが律動に合わせて鳴き、デイダラの声もシーツの上に落ちていった。
ふ、と腕を掴まれぐるりと視界が回転し、紅黒い髪が見え闇の中で向かい合わせに繋がった。
見えない視線がかち合い肩を上下させて呼吸を取りながらいまだ続く律動に喉を震わす。額からつぅと一筋汗が流れ涙に紛れて下へ落ちた。


気紛れな夜に重ねる肌は胸にくすぶる寂寥を逃がしてくれる。
デイダラは水の膜でぼやけた視界の中で自分の相方をその瞳に写した。陶器のように白い肌とそれを際立たせるような紅い髪。
何を考えているのか分からずいつもどこか遠くを見つめているような瞳。
その相方の造られた容姿中身全てに惹かれてしまうこの気持ちは、なにかしら芸術に魅入ってしまう自分の性なのか、それとも――――…



『や、あ、旦那、旦那っイ――――…』

『…中に出すぞ』



そう言われて身震いした。
別に初めてじゃない、が慣れない為恐いのが本音だった。
打ち付ける腰は激しさを増し、ラストスパートをかけてくる。競り上がる快感と何とも言えない感情が脳内を駆け巡りもう何も言えなくなった。
自分の甲高い声が響く。




『ひ、あ、あ……あぁぁぁぁぁ』





肢体がビクビクと跳ねて強く目を瞑った。
じんわりと熱いものが中に流れ込む感覚を味わいやんわりとそれを受け入れる。
目をうっすら開ければ闇に浮かぶ紅い髪が目についた。
ひたすら無言でお互いに肩を上下させている。
暫くして中にあったソレがヌルリと出ていく感覚にまた身震いした身体はまだ、熱を持っていた。

開け放たれた窓から夜風が入り込む。
汗で額に張り付いた髪を払い、静かにその夜風に当たると、やはりどこかしら満足感が押し寄せた。
しかしその満足感も直ぐに消えてしまうことをデイダラはよく知っていた。




(それでも)





繋がりを求められれば、きっとまた交わるのだろう。
抵抗することなく確実に。
たとえその行為に感情を持ち合わせなくとも、心無くとも繋がりたい、と求めてしまうのは――――…そこまで考えたデイダラは頭を振り、棄てた。
疲労感が襲い、身体は睡眠を求め始める。やはりどこか遠くを見つめ一向に此方を見ようとしない精悍な横顔を見つめながら、ゆっくりと目を閉じた。






心雑









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