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上等の封筒で封の部分にどこかで見たことがあるような紋様が捺されている。

「なになに…この度、下記の日程でダンスパーリィを開催する…この招待状を持って是非参られたし…なお、サプライズなことにこのパーリィで王子の妃を決めるかも…なんてな…………だって」

「「ぬぁッ、ぬぁにぃぃぃぃぃい─ッ!?」」

「これマジ?私招待されちゃった系?やっふーい!」

「ま、待て名前!早まるな…これは……罠かも知れぬぞ」

「は?なんの罠?ってかどこの国の王子なんだろ」

「そーだそーだ!俺の大事な妹を奥州になんぞやれるかってんだ!」

「奥州!?奥州ってあの独眼竜の…?キャーっ!マジ最高!コタ兄ナイス、ぐっじょーぶ!」

こうなってしまっては最早誰にも止められない…名前はいそいそとダンスパーリィに行く準備を始めたのだが。

「フッ…そのような場所に相応しいものなど持ち合わせておらぬ。貴様は自宅待機しておれ」

「ハァー?買ってくれりゃいいじゃんバカオクラ!何のために仕事行ってんだよ」

「せ、生活のために決まっておるわ!小太郎!」

元就の掛け声に反応して、手にロープを持った小太郎が現れる。

「あっ、てめー汚ねぇ!娘拘束してしかもよん、ふぐッ!むー!ふむふー!」



かと思いきやあっという間に名前を縛り上げた。そのままでは放送禁止用語を叫び出しそうな名前にちゃっかり猿ぐつわまで噛ませる。

「わりぃな名前。俺たちだって好きでこんなことしてんじゃねぇ」

「ひふひー…(チカ兄ー…)」」

「安心しろ!お前の代わりに兄ちゃんがいっちょお姫さまってやつをやってくっからよ!」

(んな!それがやりたかっただけじゃねぇのかよチカ兄…もとい姫若子!)

名前の心の叫びは誰にも届くことはなかったが、かなり楽しそうな元親を見ればあながちハズレではないことが一目瞭然だった。

「むふーッ!ふっふーふむむふッ!!(てめーッ!ぜってー許さん!!)」

「案ずるな名前。我らも当然お前の代わりを努めてやる」

「…ッ、!……」

こうして、お縄に就いた名前は仕方なく家でお留守番をすることになったのだった。


(あいつら絶対許さん…!)





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