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俺とお前の不協和音
調査兵団に入団してかれこれ3年
巨人を駆逐することに魂を燃やす日々はとても刺激的だ。
調査兵団は想像していたよりも居心地の良い場所で、それなりに充実した日々を送っている。
唯一の友人であるハンジと終わりのない巨人談義をするのは割と好きだし、
月に一度内地に出かけた時に買う本を読みふけるのも割と幸せな時間だ。
「――おい、ルカ、俺の話を聞け。」
「……はい? 聞いてますよ。」
「嘘つくな。削ぐぞ。」
「聞いてます。どうぞお話を続けてください。」
「チッ……新人の班割りだが――」
しかし、未だに苦手なものがひとつある。
それが、この人類最強の兵士だ。
もしかしたら、どう接したらわからないのかもしれない。
もちろん尊敬はしているし信頼もしているが、どうも苦手なのだ。
はあ……と心の中で溜息をつき、冷め切った紅茶を啜った。
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「まだ言ってんの?私はリヴァイもルカもいい勝負だと思うけどねえ。
ルカ変人だし、愛想悪いし、実力もリヴァイとそう変わらない。
私は平気なのにリヴァイはダメなの?」
毎度のことながら、ハンジは呆れたような目で私を見る。
「だってハンジは面白いし趣味も合うじゃない。」
苦手なものは苦手なのだ。
悪い人ではないのはよく分かってるし、信頼も尊敬もしている。
しかしながら、元々人付き合いが苦手なのもあり、上手に接することができない。
「よく分かんないなあ……リヴァイも性格は悪くないよ。目つき悪いけど。」
「向こうも私のこと苦手だと思うんだけど……。」
「……うん? それ、リヴァイに言われたの?」
ハンジは驚きを含んだ視線を私に向けていた。