過去拍手お礼文(10/08/22〜11/10/30)
ふと考えてみた。自分は一体どういう人間なんだろうって。いつも頑張ってるね、とか優しいね、とか、よく言われるけど、実感なんて湧かない。わたしはどんな人間なんだろう。
「…は?君がどんな人間か、ですか」
「うん、教えて!」
わたしがそう言うと、トキヤくんは腕を組んで考え始めた。それからふと思い立ったようにわたしの頬に手を伸ばす。
「な、なにかなっ」
「やはり君はこういう人ですね」
「え、え、どういう事?」
トキヤくんはわたしの頬を撫でると、もう片方の手でわたしの後頭部を固定して、ぐいっと近付けた。咄嗟の出来事に、わたしは頬を赤く染める。
「君は食べちゃいたいくらい、真っ赤になる」
「う、」
「それに、照れ屋で馬鹿みたいに正直者です」
目の前のトキヤくんは、うっすらと目を細めてわたしを見つめる。その瞳がなんだか熱っぽくて、わたしはずっと見てなんていられなかった。
「つまり私にとって君は、愛らしい人、という訳です」
それからトキヤくんはわたしの瞼に唇を落とした。