突然始まるラブソング続編
※中学生時、捏造




あの時から、わたしと一十木くんは一緒に曲を作る事が多くなった。というのも、わたしが曲を作っているところによく一十木くんが現れるのだ。


「おーい!」
「…い、一十木くん」
「これ新しい曲?」
「えっと…、うん」


わたしがそう言うと、一十木くんは目を輝かせてわたしの手を取った。


「ほんとにみょうじってすっげー!」
「そんな事ないって…わたし、曲は作れても一十木くんみたいに歌えないし」
「俺だって歌えても作れないよ、うん…みょうじが一緒だったらやっぱりいいよなあ…」


ふと、一十木くんがそう呟いた。そのまま彼は俯いてわたしの手を離す。


「…みょうじはさ、志望校って決まってたりする?」
「高校?うーん…行けるとこならどこでもって感じだよ」
「…俺は、早乙女学園を受けようと思うんだ」
「え…」


わたしは高校なんてどこだっていいと思っている。正直、一十木くんもその辺りは無頓着そうだと思っていたけど違ったらしい。


「早乙女学園かあ…うん、一十木くんならいけるよ!」


早乙女学園、そこはアイドルと作曲家を養成する学校だ。一十木くんはアイドル向きだし、彼がアイドルになったら絶対に応援したい。
わたしは思い切り頷いて一十木くんに向かい直った。


「ありがと、それで、なんだけどさ…」
「うん?」
「みょうじも早乙女学園、受けて見ない?」
「え、わ、わたしが!?」
「俺、みょうじの歌をずっと歌いたいんだ。だから、一緒に行こうよ!」
「う、あ、」


わたしの歌をずっと歌いたい、なんて。それってまるで、こ、告白…みたい、じゃないか。わたしは目の前でじっとわたしを見つめる一十木くんを見た。


「わたし、も…一十木くん、だけに歌ってもらいたい、です」
「…っ、ほんとに?」
「うん…だから、が、頑張る…!」


わたしがそう言って手をぎゅっと握った。その姿を見て、一十木くんは満面の笑顔を浮かべる。


「…あ」
「どうかした?」
「なんかさ、今のって告白、みたい…だよね」


なんて、と照れたように頬を掻いた一十木くんに、わたしの頬も赤く熱くなった。




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