「殺さないの?」
「……え?」
「ツナシくんは、なんで殺さないの?」
「…何を、言ってるのかな?」
「だってサイバディを復元出来るようになったんだよ、ドライバーを殺さなきゃ終わらない」
「君は、」
「わたしなら、殺しちゃうけどな」
…タウバーンに乗りたいなあ、わたしなら、殺してあげるのになあ。なんて、目の前のツナシくんに言えば彼は驚いたように目を見開いた。そして身構える。
「わたし、綺羅星じゃないよ」
「…」
「…信じらんないよね」
「…君は、一体…」
「わたしはわたしだよ、ツナシくん」
感じる、もうすぐゼロ時間が始まる。わたしのシルシが、うずうずする。始まったゼロ時間。光るシルシ。それは対峙したツナシくんと、わたしのシルシ。
「それ…!」
「これはわたしのシルシ、…始まるね」
「!」
いつの間にか、世界が変わっていた。ツナシくんは目の前のわたしと、待ち構えていた綺羅星十字団のドライバーとを見て、どこか躊躇いがちにアプリボワゼを叫んだ。
「今日は殺すのかな、ツナシ・タクトくん」