青に堕ちて逝く続編
※病、死ネタ





なんでッスか。幸せになったんじゃないですか。俺は、俺はどうしたらいいんですか。堺さんはどうなるんスか。なんで、なんでなんでなんでなんで死んじゃったんスか。答えてください、答えてください。目を開けてください、堺さん、今のままじゃ駄目になっちゃうじゃないスか。ねえ、ねえ、ねえ。


「なまえさん、」


棺桶にしがみつく堺さん。堺さんは泣いていて、あんなにボロボロになったところは見た事がない。泣き崩れている有里さんはあの人と仲がよかった。皆、皆泣いている。どうしよう、俺、泣けてない。泣きたいのに、泣けてない。


「っなんで、」


結婚式が終わってまだ3日しかたっていなかった。俺はなんとか気持ちの整理をつけようとしていた時で、いつまで引きずってんだよ、なんて思っていて。「堺さんと帰んないんスか?」あの日、俺は偶々帰る支度をしていたなまえさんに会い、声をかけていた。「今日は早めに帰って、ご飯作ってあげたくて」そう言って笑ったなまえさんに心の奥が痛んだけれど、そうッスか、と返事を返した。ちゃんと笑えていただろうか。
じゃあ、と別れて俺は練習に戻ろうとした。その瞬間、ついさっきあの人と別れたばかりの方向から物凄い衝突音が聞こえた。とても嫌な予感がした俺は急いで戻った。出口の外は、なんていうか、血の海、ってやつ。ぐちゃぐちゃになった、彼女らしきモノ。それがなまえさんだとわかったのは、左手の薬指に輝くリングがはまっていたからだ。


「あ、…?」


なんで、なんでなんでなんで。動けずにしゃがみこんでしまった俺に、通りがかった通行人が悲鳴をあげる。クラブハウスから有里さんが出てきて、叫んだ。そして震える手でポケットから携帯を取り出して救急車を呼ぶ。ああそれからどうなったんだっけ、覚えてないや。


その後、堺さんは彼女を追うようにどこかのビルから飛び降りた。




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