ラズベリーキャンディ続編





――メールを受信しました


携帯のディスプレイに映ったその文字にびくっ、と体が反応した。震える手で携帯を開き、メールを見る。差出人はなまえさん。会って話がしたい、と書いてあった。あれから3日が過ぎている。だけど俺は未だに連絡をとれていない。なまえさんからはメールも電話も来ているのに、俺は怖くて返事が出せないでいる。


「はあ…」
「どうしたんだい、バッキー」
「、王子…」
「これから練習だって言うのに、そんな顔されたら不愉快だよ」
「すんません…」
「彼女?」
「え!!?」


ロッカールームでなまえさんからのメールを見て溜め息を吐いた俺に、王子が近づいて来た。


「気付かないとでも思ってたのかい?
あんなに毎回携帯見て喜んだり真っ赤になってたりすれば誰だって気付くよ」
「う…」
「何、フラれたの」
「…これから、そうなるって言うか…いやまだ付き合ってもいないんスけど…」
「ふーん、何かやらかしたんだ」
「その通りなんス…俺、不甲斐なくて…」
「そんなの元からじゃないか」
「酷いッスよ、王子…」
「何を悩んでるのかは知らないけど、女性に迷惑をかけするのは感心しないね」
「!!」


王子にそう言われ、俺はハッとした。ちゃんと言わなきゃ。なまえさんにフラれても、自分でちゃんと言わなきゃ駄目だ。


「じゃあ僕は先に行くよ」
「ッス!ありがとうございました、王子!!」


俺は携帯をまた開き、なまえさんにメールを返して練習に向かった。


…――遅れてすみません、俺もなまえさんと会ってお話したいです。練習終わったらまた連絡します。




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