俺以外のヤツからもらった物は身に付けるな。そう言って俺はなまえに新しい靴をプレゼントした。
「ほら、まえやったパンプス。あれ底擦れてただろ?だから新しいやつ買ってきた」
「あ…あれもうヒール折れちゃったから…自分でこれ買っちゃっ…た…」
「は?なんだよそれ、俺のが受け取れないって事か?」
「ち、違う!翔のも嬉しいよ!」
ふと足元を見れば、確かに俺の見覚えのない黄色のパンプスがなまえの足を飾っていた。なんだよそれ。そんなものいらねえだろ。
「それ脱げ」
「え…」
「俺のあるからいいだろ?だからほら」
俺はなまえの足元に屈み、片足ずつ脱がせる。俺の手の上で存在を主張するそれはゴミ箱へ放り投げた。
「よし、これで俺のなまえになったな!」
「…うん」
「じゃあ行こうぜ」
なまえは頭の先から爪先まで、全て俺の渡した物で着飾られている。それを見るだけで堪らない優越感と支配感に襲われて、俺は笑顔になった。
「うん、すっげー似合ってる!流石俺の女だぜ!」
そう言った俺に笑いかけるお前のその顔も、心も、体も。全部全部俺の物。