ついに、ついに明日はトキヤの誕生日だ。そして今日はこの招待状をトキヤに渡す、わたしの最後の大仕事が待っている。なんとか昨日はプレゼントも買えたし(中身は勿論お楽しみだ)、教室の飾り付けも終わっている。作戦は万事抜かりなく、かつ着実に進んでいた。


「じゃあなまえ、予行練習いってみようか」
「う、うん」


わたしは皆に見守られながら、レンをトキヤに見立てて招待状を差し出した。


「あ、あああ明日Sクラスに来て、ねええええ!」
「お前キョドり過ぎだろ!」
「だ、だってばれないようにって難しい!」
「なまえちゃぁん、頑張ってくださいねぇ〜」


簡単に言いやがってあのでこぼこコンビは…!後で翔殴る、縮める。


「じゃあテイク2、はい」
「これ…読んでね…?」
「逆に落ち着き過ぎてラブレターみたいになってるし!」
「と、トモちゃん…!えっと、なまえちゃん可愛いです!」


ありがとう春歌ちゃん可愛いのは君だ。そして友千香…わたしの最大限のおしとやかを何故笑うか。


「もっといつものように、はい」
「こ、これ!待ってるから絶対来てよね!」
「そんなに突っぱねた態度でいいのか」
「でも一番自然体、かも知んないし…」


それじゃわたしがいつも人を突っぱねてるって言いたいのか真斗め。っていうかかもじゃないぞ音也、これがわたしなんだよちくしょう。


「仕方ないね、このまま行くしかないか」
「え、リハ終わり!?」
「頑張って行っておいで、レディ」


そう言ってレンはわたしの肩にぽん、と手を置いた。つまりわたしは見捨てられたのか、こいつらに。なんて非道、無情なんだろう。春歌ちゃん以外皆許さないからな!


「い、行って来ます…」


ああもうなるようになればいい。







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テーマ「人外ファンタジー」
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