さてさて、順調に行われているかに見えたパーティーの準備。だがわたしにとって、一番の難関とも言える作業が残っていた。


「ええっ、まだプレゼントを用意していないんですか!?」
「うん…だって何あげたらいいかわかんないし…春歌ちゃんは?」
「わたしはもう準備しちゃいました」
「どうしよう…誰か一緒に買い物行ってくれないかなあ…」


そう、わたしは未だにトキヤへのプレゼントを買えていなかった。だいたいあいつは物欲が無さすぎるのだ。それとなく欲しい物を聞いても返って来る答えは「時間」とか、そんな物ばかり。だけどやっぱり、わたしは誕生日にはプレゼントって必要不可欠だと思うのだ。むしろプレゼントのない誕生日なんて苺の乗っていないショートケーキのようなものじゃないか。


「あ、なまえ」
「おー音也、どしたの?」
「七海からなまえがまだプレゼント買ってないって聞いてさ。俺もまだだったから一緒に行かないかなあって」


春歌ちゃんマジ天使!そして音也ナイスファイン!なんて素晴らしいの二人共…後で春歌ちゃんには何かご馳走してあげよう。


「音也最高、大好き愛してる!」
「え、ええ!?お、俺も、」
「じゃあ行くぞー!」
「…うん」


何を項垂れているんだ音也め。時間は無いし、迷っている暇はない。わたしは音也と共に外に赴いた。







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