「おはよう、レディ」
「…おは、よう?」


頭がぽーっとする。昨日寝たの遅かったんだっけ…っていうかなんでレンがここに…っていうかここどこ。


「もしかして寝惚けてる?可愛いね」
「…うん、…んん?え、レン…だよね」
「そうだよ、レディ」


ちゅっ、音にするとこんな感じに、レンはわたしの額にキスをした。徐々に意識がはっきりしてくると、わたしは思い切り目の前の変態に頭突きをかました。


「おっわああああ!?なんでレン!?ここどこ!」
「…っ、俺の部屋だよ。昨日、三人して何をしてたんだい?」


わたしが勢いよく起き上がると、ばさあっと何かが落ちた。よく見るとそれはタオルケットで、わたしはレンと同じベッドにいる。な、なんでだ!


「帰って来たらイッキとなまえがいるから驚いたよ、ま、野郎二人は雑魚寝させたけど」
「…へ?」


レンが口元に手をやって微笑む。わたしはベッドから降りると、眠っているらしい二人に近付いた。うわあタオルケットも無しかよ、レン鬼畜過ぎる。その点わたしはレンと同じベッドとは言え、中々いい待遇だったと一人溜め息を吐いた。


「あのさ、レンはトキヤが6日誕生日だって知ってた?」
「イッチーが?知らなかったな」
「その事について三人で話し合ってたんだ」
「ふうん。…これがそのメモ?」
「え?ああうん、そうそう」


レンはその長い指で床に落ちていた昨日のメモを広いあげた。へえ、とその紙を裏返してみたりしながらいじる。何してるんだこいつは。


「中々いい案だね、これ」
「でしょ!3人で完徹して考えたんだから当然だけど」


わたしは胸を張ってさも当然と答えた。だってわたしがいるんだから、こんな最高のプランニングになる事は決まっている。まあ音也も真斗もそれなりには役に立ったけど。


「あ、翔となっちゃんに言ってないや」
「じゃあ伝えに行かないとね」
「うん、おーい起きろ馬鹿共ー」


雑魚寝をしている二人の近くに屈んで、ゆさゆさと体を揺さぶるが反応はなかった。いつまで寝てるんだろう、音也はともかく、真斗は珍しいかもしれない。


「放っておきなよ、二人で行こう」
「うーん、…仕方ないよね、そうしよっか」


そしてわたしとレンは一緒に部屋を後にした。







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