「トキヤくん、ここがわかんない」
「…またですか」
「……ごめんなさい」
「はあ…貸してください」


トキヤくんはオフの日だと言うのにわざわざわたしの勉強を見に来てくれた。頑張るぞ!って思ってたのに…自分の出来なさに、なんか泣きそう…


「こうして、…そうです、そのまま代入してください」
「えっと、じゃあつまり…x=4?」
「…違います、6です」
「う、う、ええええ…?」


因みにわたしが今やっているのは中学1年生の問題。ついこの間小学生のドリルを終わらせ、やっと中学生の問題に入る事が出来た。でもやっぱりまだミスが多くて、トキヤくんに迷惑をかけっぱなし。


「君は文系のようですね…理数系がまさかここまでとは」
「算数嫌い…」
「…せめて数学と言ってもらいたいものです。」


ほらまた。わたしはまたトキヤくんに溜め息を吐かせてしました。せっかくのオフなのに、わたしに合わせてくれているから疲れてるんだろう。


「お茶でも入れてきましょう」
「え、あ、トキヤくんお客さまなのに…!」
「いいから君は続けてください、キッチンをお借りしますよ」


トキヤくんはちらっと時計を確認した後、そっと席を離れた。家まで来てもらって、勉強を教えてくれてる上にお茶まで…わたしトキヤくんに頼り過ぎかもしれない。ううん、絶対頼り過ぎだ


「頑張らなきゃ…!」


わたしはよし、と気を張ってシャーペンを握り直した。それから目を凝らして問題に向き合うが、やっぱりわからないものはわからなくて。気が抜けたわたしは思わず机に突っ伏してしまった。駄目だ…なんだか眠たく、なって来たし…


「寝ちゃ、だめ、でしょー…」


必死で起きようとしたけれど、どう足掻いても一度やってきた睡魔には勝てず、そのままわたしは、とぷんと闇に落ちていってしまった。








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