小説 | ナノ


「やあ、ナマエ。 今日も健康状態は良好かい」

「わあっ! メローネ!」

びっくりした!
だって急にメローネが後ろから話しかけてきたんだもん!
メローネってば、いっつも幽霊みたいにスーっていつの間にか後ろにいるの。
初めて会ったときは本当に幽霊なのかと思ってたわ!

「もう! びっくりさせないでって言ってるのに!」

メローネをポカポカ叩くけど、メローネは笑ったまま謝ってくれない。
ホルマジオが、実はメローネは叩かれるのが好きなんだって言ってた。
きっとあれは本当なんだ!
叩かれるのが好きなんてとっても変!
私なんて叩かれるのは痛いから嫌いなのに。

叩いて嬉しくなるなら、抓ったらどうかな?
そう思ってメローネをキュって抓った。

「ああっ、ベネ! そんなに元気なら健康状態は良好だな!」

「…メローネは本当はとっても変な人なの?」

「そんなことないさ」

抓ってもメローネは嬉しそうだった。
でも変な人じゃあないんだって。
私、きっとまだまだ知らないことが沢山あるんだわ。
立派なレディになる為にもっと賢くならなくちゃ!

「それよりナマエ、俺を捜していたんだろう?」

「あっ、そうだった!」

メローネを捜してずっとお家をウロウロしてたんだった。
メローネがビックリさせるから、すっかり忘れてた!

「あのね、この間はお洋服を買ってくれてありがとう!」

「ああ、あのワンピースのことか。 プロシュートは褒めてくれたかい?」

「全然! お兄ちゃんはメローネより少しイジワルだから」

「そっか、でも嬉しそうだね。 何かあったの?」

「えへへっ、内緒!」

お兄ちゃんはお洋服を褒めてくれなかった。
だけどそれ以上の嬉しい言葉をくれたんだもん!
だから私、とーっても嬉しいの!

でもねでもね、これはお兄ちゃんと私だけの秘密。
だからメローネには教えてあげない!

「そっ。 まあ俺は君が笑顔ならそれでいいさ」

そう言ってメローネは私を抱き上げてくれた。
メローネはお兄ちゃんよりもいっぱい抱っこしてくれる。
だからちょっと変でも私、メローネのこと大好きよ!

prev|next

[top ] [main]



×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -