※ひどい一目惚れ。
※「カミツレとサブマス」「カミツレとフウロ」は仲良い設定。


「「…………………」」
「どうしたの?さっさと台詞言ってバトルはじめなさいよ」
「カ、カミツレちゃん…」


こんにちは…フウロです…。
久々にお友達のカミツレちゃんとお話ししようと思って、仕事がお休みの日にライモンシティに遊びに来ました。

『カミツレちゃんとバトルしたーい』って私が言ったら『タイプ的につまらないわ』って言われちゃった…。
で、カミツレちゃんが提案したの。『一緒にバトルしましょ』って。

はじめは、よくわからなかったんだけど、引きずられていった先はイッシュでは有名なバトルサブウェイ。
で、今カミツレちゃんと仲良しらしいサブウェイマスターの目の前です…。


白黒の対のコートを着た、そっくりさん。カミツレちゃんが双子だって言ってたし、当たり前かぁ…。

「…貴女と言う人は……。」
溜め息を吐いた黒い人。眉間にしわが三本。

「ジムリーダーの仕事はどうしたんですか?!」
「うるさいわねぇ…息抜きも人生大切よ!」
カミツレちゃんと怒鳴り合い勃発。
こんなカミツレちゃん初めてだよ…?
いつも、凛と清ましてて、かっこいいのに、ちょっと悪戯すると可愛くなっちゃうの。怒っても可愛いと思ってたのに…。

「ああ!もうムカツク!気持ち悪いのよ、完璧すぎて!ロボット人間!」
「私は完璧ではありませんよ。あ な た が欠落しすぎなのです!」

怖い…。目の色が違うもん…。


「二人とも元気だなぁ…ねぇ?」
いつの間にか横に立っていたのは白い人。
「ふあっ?!びっくりした!」
「ん?そう?ごめんねー」
双子らしい黒い人とは全く違う、柔らかい笑顔で腰を折る白い人。

私と視線があった。

「見ない顔だけど、ここ、はじめて?」
「え、はい」
「う、敬語やめて。背中むずむずする…」
黒い人バリバリ敬語なんだけど…。

白い人は再びニコリと笑った。

「もしかして、電車もはじめて?」
「あ、う…うん…」
「えっ?本当に?!」
白い人は、信じられない…とか言いながら、ふらふらシートに座り込んじゃった。

実はそうなんです…。
フキヨセシティって山とか洞窟に囲まれて、電車なんて通せないもの。移動は昔から小型飛行機とか徒歩とか…。
7両目…というか、経験的には21両目のここではまだ良いけど、4、5両目までは揺れに慣れなくて、危なかった…。

「勿体無い!今までの人生の五分の四くらい損してる!絶対!」
「そ、そんなに…かなぁ…?」
思わず、苦笑い。

「電車がない所…?
キミ住んでるのってどこ?ライモン…じゃないよね?」
「違いま…違う、の。フキヨセシティに住んでるんだ」
「フキヨセ?じゃあ、飛行機乗ったことある?!ぼくまだ乗ったことない!」

白い人はさっきまでの落ち込みようが嘘のみたいに、目を輝かせて、私の手を握ってきた。


勿論、
「あるよ」
飛行機に興味を持ってくれて、すごく嬉しくて、
「私、今日ライモンに飛行機で来たし、パイロットで毎日乗ってるの!」
思わず、熱くなって握られている手を握り返してた。

「空を飛ぶってすごく不思議な気持ちになるの!空が近くて、雲がすぐそこ」
ちらっと白い人を見ると彼は私の興奮につられてか、頬がほんのり紅潮していた。

それがまた嬉しくて、私は思いを繋げた。
「鳥ポケモンと一緒に飛ぶのも気持ち良いよ。地上にいる皆の笑顔を見るのも嬉しいし!それから…」
「ねえ!」
白い人の声が私のトークをストップさせた。

「?どうしたの?」
「…どうしよう」
「へ?」
白い人は私の手を両手で握りしめて、また私に視線を合わせた。

「ぼく クダリ
キミを好きになっちゃったみたい」
頬をほんのり紅潮させて、輝く笑顔。
「……………………はっ?!」
いきなりの告白に、フリーズしちゃった。次の瞬間、顔が爆発しちゃったみたいに、熱くなった。


「ねぇ、そんなに飛行機ステキなら、ぼくも乗せてくれない?」

…え?それはつまり…?

「勿論、キミの運転する飛行機限定!」
クダリはそう言って嬉しそうに私に笑いかけてきた。





(「また会いたいよ」はちょっと恥ずかしいから)

―――――――――――
pretty please*さんに提出!

二人して互いに「乗せて?」って言ってればいいと思います!

「クダリ×フウロ」として書き始めたら、「ノボリ×カミツレ」に目覚めました!

ちなみに、ノボリカミツレの言い争いはクダリフウロが止めてくれますよ…きっと…。
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